神楽坂の隠れ家的銭湯「第三玉乃湯」でチルする

いい街にはいい銭湯がある。そんな言葉を聞きつけてやってきたのが、新宿区神楽坂。「敷居が高そう」なんてイメージが浮かんできそうな場所ですが、実はここに地元民から長く愛されている銭湯があるんです。きょうは「第三玉乃湯」から、神楽坂の街を散策する日。生まれも育ちも神楽坂だという、第三玉乃湯のご主人のお話をもとに、神楽坂の魅力をみなさんにお届けします。
Agenda.
  1. 1.神楽坂下交差点に佇む老舗銭湯「第三玉乃湯」
  2. 2.第三玉乃湯とセットで楽しみたいサウナめし
  3. 3.一度だけでは物足りない。神楽坂の魅力

1.神楽坂下交差点に佇む老舗銭湯「第三玉乃湯」

東西線「神楽坂」駅から歩くことわずか5分。坂と坂の谷間にある「神楽坂下交差点」すぐそばにあるのが、創業60年以上の銭湯「第三玉乃湯」です。

2018年にリニューアル!新旧が混ざりあう空間がチル

反対側の歩道から第三玉乃湯を見ると、昔ながらの「宮造り」が顔を出します

創業は昭和39年。2代目店主の末岩さんご両親が、別の銭湯を買い取る形で「第三玉乃湯」がスタートしました。

男湯露天風/43度とややあつめの設定

2018年にはリニューアルを実施。開放感たっぷりの高い天井や銭湯絵など、昔ながらの銭湯風景は残しつつ、「人工炭酸泉」「露天風呂」を増設しました。

男湯/お子様連れでも安心できるよう、カランや浴室内には仕切りを入れないチルな設計
開放感たっぷりの天井

浴室は360度どこを切り取ってもピカピカ。隅々にまで掃除が行き届いていることがよく分かります。

「照明を落としてスタイリッシュで落ち着いた雰囲気がある銭湯も増えてきましたが、うちは壁も天井も白を基調にして、浴室に入ったときにパッと明るい印象になるようにしているんです」と末岩さん。

女湯脱衣所

脱衣所も清潔感たっぷり。視線を上に向けると、昔ながらの銭湯風景「格天井」も楽しめます。

女湯ドライヤースペース/Refaのドライヤーが2台も導入されてました!

女性の脱衣所には専用のドライヤースペースの確保も。レトロな雰囲気がかわいい手洗い場もぜひ注目してほしいです!

ロビースペース
銭湯らしさ満載の番台。電子決済できる券売機も導入されてました!すごい……

新旧が入り混じるこの空間、なんだかとってもチル。

38度→41度→43度と3段階の温度変化がたのしい湯船

男湯浴室/左=ジェット湯/右=炭酸泉

「ぬる湯」「ふつう湯」「あつ湯」と、温度の異なる3種の湯船があるのもこだわり。「あつすぎる湯船に入れない」という声が多く、温度違いの湯船を用意するようになったそうです。

炭酸泉

一番人気は「炭酸泉」。人肌に近い38度に設定された湯船に、人工の炭酸ガスを注入。人が少ない時は足を伸ばせるほどの広さがあり、ゆったり時間をかけてチルな時間に浸れます。

浴室の中央には、白湯(=シンプルな湯船)、電気風呂、ジェット3種合わさる湯船の用意があります。温度は41.5度ほど。

筆者のおすすめは、ジェット湯!

手すりに捕まってないと勢いに負けて飛ばされてしまいそうな、強力なジェットが体験できます!肩こりや足裏の疲れもほぐされて、一気にリラックスモードに。毎日通ったら疲れ知らずの身体になれちゃいそう。

女湯露天

ゆったりくつろげる「炭酸泉」、日頃の疲れを吹き飛ばしてくれる「ジェット湯」、あつめ設定の隠れ家的「露天風呂」と3段階で徐々に体温を上げていくのが、第三玉乃湯を余すことなく満喫する”王道ルート”に決定!

本当は教えたくない!広すぎるサウナ室でじんわり滝汗

男湯サウナ

湯船だけでなく、ぜひとも注目してもらいたいのがサウナ。男女ともに、銭湯とは思えない本格的なサウナが体験できるんです!

女湯サウナ

開放的な広さにも注目。男湯は10名、女湯は6〜7名ほど入れる広さがあります。座面の奥行きがあって、座り心地ばつぐん!

サウナは、熱されたサウナストーブの「輻射熱」によって室内が温まる「対流式」。男湯は85度、女性80度とマイルドめですが、これがまたすこぶるに、いい!

小窓から浴室の様子を眺めるのもチルな時間

テレビなし、音楽なしの「無」の空間で、じーっと熱を感じていると、じわじわじわと身体が熱を帯びてきます。気がつけばあっという間に10分経過。居心地の良さに驚かされました!

じっと座っているのがまっったくと言っていいほど苦にならないセッティング……神楽坂という街にこんなにいいサウナが隠されていたなんて……。

井戸水をくみ上げているという水風呂は、非常になめらかで肌触りもやさしめ。

チラーを入れておらず20度前後とのことですが、体感もう少し冷たく感じました!サウナとの相性もハナマルです。

2.第三玉乃湯とセットで楽しみたいサウナめし

「神楽坂は、表の大通りがメインに見られがちですが、一本路地を入った裏通りにも魅力的なお店が集まっているので、ぜひ散策しながら気になるお店に入ってみてほしいですね」と神楽坂の魅力を語ってくれた、第三玉乃湯・店主の末岩さん。

末岩さんにおすすめされた通り、大通りから一本裏通りを入ってみると、風情を感じる石畳の小道や、静かに佇むすてきな料亭、ぱっと明るい雰囲気のフランス料理や、気軽に立ち寄りやすいカフェなどなど……さまざまなお店が並んでいることがよくわかります。

「la kagu(ラカグ)」新潮社の巨大倉庫を改装したおしゃれな施設

駅近徒歩1分!路地に隠れた街中華の名店「龍朋」

並=900円大=1200円

そんな神楽坂で筆者が立ち寄ったのが、1978年創業の街中華『龍朋(りゅうほう)』。行列ができるほど人気なお店とのことですが、この日は運良く並ばずに入れました!(平日の17時ごろ入店)

迷うことなくお店の看板料理「チャーハン」を注文。

パラパラというより「しっとり」の言葉がぴったりのチャーハンは、想像以上に絶品。セットのスープと合わせて食べれば、食べ進める手がまったく止まりませんでした!大きめのチャーシューがアクセントでまたいいっ……。

「トマトたまごめん」「麻婆麺」「広東麺」「とろろラーメン」など麺類メニューがとっても豊富だったので、次回は麺類も攻めたい!

古民家をリノベした居酒屋「酒ト壽」

塩焼きの車海老がお通し/毛ガニがぎっしり入った毛蟹のコールスロー/貝の浜盛焼/白子昆布焼き

おいしいお酒と、お魚料理を嗜みたい方におすすめしたいのが、第三玉の湯から徒歩2分の場所にある『酒ト壽(サケトコトブキ)』。

古民家をリノベーションした居酒屋で、昔懐かしいあたたかさを感じながら、ゆったり食事を楽しめるスポットです。この字のカウンター席の雰囲気もよし!

メインは、日本酒と魚料理。豊富な銘柄がそろう日本酒と、日本酒にあう魚料理が楽しめます。仕入れの産地にこだ割った新鮮な「刺身5点盛り」や、目の前の炭火で仕上げる「貝の浜盛焼」などなど、どれも絶品でした!

お酒飲めない人は入店NGなので、そこだけ注意です!

3.一度だけでは物足りない。神楽坂の魅力

夜になるとまたちがった雰囲気に

「少し散策してみると、お手頃価格のお店があったり、隠れ家のように営業するお店があったり。敷居が高そうに見える街ですが、気軽に入れるお店もたくさんあります。大学が近いのでチェーン店も多いです。神楽坂から飯田橋方面に歩いてみると、よりいろんなお店が見つかると思いますよ」と末岩さん。

一度来ただけで満足するのはもったいない。何度も何度も足を運ぶことで、味わい深い街になりそう……!そんな感覚を味わえた神楽坂散策でした!

ぜひみなさんも、一度と言わず何度も何度も神楽坂に通って、第三玉乃湯からの”優勝ルート”を見つけてみてくださいね。

取材・執筆:はせがわみき