ゆず湯や菖蒲湯だけじゃない!実は毎月変わる「季節湯」でチルしよう

気温がグッと下がり、温かいお風呂につかるのが気持ちいい今日このごろ。日本に古くから伝わる「季節湯」はご存じですか?四季の移ろいが感じられるこの入浴法は日本ならではのもの。そこで今回は、12カ月それぞれの季節湯の種類や効能などを詳しく紹介していきます。
Agenda.
  1. 日本独自のお風呂文化「季節湯」
  2. 「季節湯」の始まり
  3. 豊かな四季を肌で感じる12種類の季節湯

日本独自のお風呂文化「季節湯」

「季節湯」とは、季節ごとに旬な果物や植物をお風呂に入れて楽しむ入浴法です。ゆず湯や菖蒲湯が有名ですが、実は毎月の季節湯があり古くから日本人に親しまれてきました。季節ごとの香りを楽しめるのはもちろんですが、同時に植物の持つ様々な成分が薬湯としての効果も発揮。心身のリフレッシュと身体の不調改善が期待できます。

「季節湯」の始まり

季節湯の始まりは平安時代。真言宗の開祖で有名な空海が、季節の薬草を取り入れた薬湯として、医療に用いたのがきっかけと言われています。江戸時代になると、薬湯は皮膚病などの治療法の一つとして重宝されました。元は医療用だった季節湯も、四季を肌で感じられる風情あるものとして、現在にまで親しまれています。

豊かな四季を肌で感じる12種類の季節湯

ゆず湯や菖蒲湯が有名な季節湯ですが、他にも魅力的な季節湯がたくさんあります。

1月「松湯」
松の葉を入れた「松湯」には血行促進作用があり、体が温まるそう。松には「不老長寿」の花言葉もあり、新年に入るお風呂としても縁起がいいですね。

2月「大根湯」
2月はなんと「大根湯」です。大根葉には保温効果があり、寒い時期にピッタリ。料理で出た端野菜で気軽にできるのが嬉しいですね。

3月「ヨモギ湯」
3月は、血行改善や肌の炎症を抑える働きがある「ヨモギ湯」。パソコンやスマートフォンで凝り固まった体をほぐしてくれますよ。

4月「さくら湯」
「さくら湯」は実は花びらではなく樹皮を使うことで、香りと炎症を抑える効果が期待できます。花びらも一緒に浮かべればお風呂が一気に華やかになり、なんとも贅沢な気分に。

5月「菖蒲湯」
5月は端午の節句で有名な「菖蒲湯」。ゴールデンウイークの長期休暇で遊び疲れた際の、疲労回復などにおすすめです。

6月「どくだみ湯」
どくだみは肌をきれいにすると言われており、湿気が多く肌が荒れやすい梅雨時期に役立ちます。

7月「もも湯」
桃の葉には、炎症を抑え肌を引き締める成分が含まれています。虫刺されや日焼けなど、なにかとトラブルを起こしやすい夏の肌に活躍するでしょう。

8月「ハッカ湯」
清涼感があり、ベタつきやすい夏にピッタリ。体が冷えると思われがちな「ハッカ湯」ですが、実は体を温める効果があるので、エアコンなどによる冷えの改善も期待できます。

9月「菊湯」
9月は「菊湯」。9月9日に菊の花を楽しみつつ、邪気を祓い長寿を願う「重陽の節句」という伝統行事に由来しています。元々は宮中行事だったのですが、次第に庶民にも広まり「菊湯」が楽しまれるようになりました。

10月「生姜湯」
生姜のイメージの通り体が温まるので、寒くなってくるこの時期におすすめ。体が温まると免疫力が高まるメリットもありますよ。

11月「みかん湯」
柑橘類のさわやかな香りがリラックスできると評判の「みかん湯」。みかんの果皮にはクエン酸やビタミンCが含まれており、美肌効果が期待できます。

12月「ゆず湯」
12月は有名な「ゆず湯」。冬至に「ゆず湯」に入ると、風邪をひかないという言い伝えがあります。みかんと同じ柑橘類なので、香りもよくリラックス効果も抜群ですよ。

四季がある日本だからこそ楽しめる「季節湯」。ゆっくりと湯船につかり、心身ともにリフレッシュできる「季節湯」を楽しんでみてはいかがでしょうか。