1.駅近徒歩3分!銭湯のある街はあたらしい発見がある
2017年から約2年の休業期間を経て2020年に再オープンした「府中湯楽館 桜湯」。立川で「立川湯屋敷 梅の湯」を営む佐伯さんが経営を引き継ぐことで再出発した銭湯です。
最寄りは、京王線府中駅。スターバックス横の階段を降りてまっすぐ進むと、あっという間に桜湯に到着!駅から出てわずか3分で到着できる駅近銭湯です。
駅から近いと、雨の日も気負いせず駅から立ち寄れるのがいいですよね。京王線ユーザーがうらやましい。
銭湯の魅力はその街を知れること
スーパー銭湯や日帰り温浴施設だと、お風呂に入ったり、ご飯を食べたり、お昼寝したり。施設の中で一日ゆっくり過ごすのが定番。銭湯だとなかなかそうはいきません。
でも、銭湯は新しい街を知るきっかけをくれます。
銭湯でさっぱりした後は、街を歩きまわって散策を楽しんだり、ローカルな飲食店を探してみたり。銭湯がきっかけで知らなかった街を知れるって、お得感があって楽しいんですよね。
ちなみに、桜湯の最寄り府中駅周辺は、映画館、飲食店やカフェ、アパレルショップなどと見応え十分のスポット。
「帰りに桜湯でお風呂に入る」と決めて、映画や買い物、食事を楽しむ時間に府中駅を訪れてみるのもおすすめです。
2.銭湯は店主の個性が光る。「マンガ3000冊」を完備する桜湯
桜湯のロビーでまず目に飛び込んでくるのが、壁一面にぎっしりと配置されたマンガたち。その数はなんと3,000冊!
姉妹店の立川『立川湯屋敷 梅の湯』と同じく「湯上がりは少しでもゆっくり過ごしてほしい」と、リニューアル時にマンガを置き始めたそうです。
日替わり湯にこだわりを魅せる銭湯があったり、手書きの新聞を浴室に張り出す銭湯があったり、熱湯からぬる湯まで温度変化を楽しめる銭湯があったり。ロビーの壁一面にぎっしりと積まれた桜湯のマンガのように、銭湯それぞれ店主さんのこだわりやキラリと光る個性があるもの。
銭湯のある数だけ個性がある。同じ銭湯なんてありません。だから銭湯めぐりってやめられないんですよね!
3.コンパクトな浴室だからこそ「空間浴」が楽しめる
シンプルでコンパクト。浴室に入ればどこに、何があるのか一瞬で判断できるのが桜湯のいいところです。
細かいバイブラがやさしい「ミクロバイブラ」や程よい刺激の「ジェットバス」や「電気風呂」と、豊富なリラックスバスが魅力的ですが、特に注目してほしのが「バドガシュタイン風呂」。
浴槽内に鎮められた筒の中に「天然鉱石」から微量の放射線を放出。湯船に浸かる以上の健康効果が期待できるお風呂になっているとか!
浴室内には蒸気とともに、天然鉱石による「マイナスイオン」が漂っている状態。浴室内で過ごすだけで「空気浴」が楽しめるのも魅力なんです。
これぞコンパクトな銭湯浴室だからこそ叶う入浴の楽しみ方。蒸気にやさしく包まれる感覚、ほかの銭湯でも味わえるところがないのか、ぜひ探してみたいところです。
4.銭湯サウナの魅力。短い動線だからこそムダなくととえる
桜湯では男女ともにコンフォートサウナ(=ドライサウナ)を完備。100度設定とのことですが、絶妙な温度調整のおかげでじっくり座っていられます。
水風呂は、サウナ室の目の前。動線も完璧です!水温は20度前後の井戸水。バイブラがあるため、体感もう少し冷たく感じます。想像以上に深さがあるのも、満足度を高めてくれる要因のひとつ!
2020年のリニューアル時には、あえてカランをつぶして休憩スペースを設置。サウナ利用者が満足できるようにと、休憩用のイスも導入し浴室内でまったり過ごせるスペースが完成しました。
銭湯サウナの魅力といえば、サウナ・水風呂・休憩の動線が短いこと。桜湯も例外ではなくコンパクトな移動で、すばやく、そして確実にととのえる環境が準備されています。
「外気浴がないのが物足りない」と思う方もいるかもしれませんが、身体が冷えづらい浴室内でじっくり身体を休憩させてあげると、また違った心地よさを感じられるはずですよ!
5.「銭湯ではみな平等」居心地のいい空間づくりは徹底したローカルルールの排除
「ローカルルールがあってこわい」「常連さんに怒られそう」銭湯というと、そんなマイナスイメージがある方も多いかもしれません。桜湯では、はじめての方でも、毎日通う常連さんでも”平等なルール”のもと利用してもらうことを徹底しているそうです。
「銭湯ではみな平等です。常連さんでもほかの利用者に高圧的な態度をとっている方がいれば直接お声がけさせてもらってます。銭湯は裸で過ごす場所じゃないですか。ここでは、誰ひとりイヤな想いをすることなく安心して過ごせる場所にしたいんです」
「銭湯は、現代社会の中だけではなかなか体験できない”周囲への配慮”を学べる場所だと思っています。後ろで身体を洗っている人がいたらシャワーの出し方に気を付ける。もう少しだけ人が入れるように浴槽の中は端に寄る。当たり前のことだけど、どれも他人への思いやりから生まれる行動なんですよね」と佐伯さん。
「銭湯ではどんな生活をしているとか、どんな仕事をしているとか、そういう立場は関係ありません。上も下もない。どんな人でも平等。小さな気遣いが集ればここにいる全員が快適に過ごせるんだなって、そんな感覚を味わってもらえる場所ですよね」と銭湯の魅力も合わせて語っていただきました!
「銭湯は古い」「ご年配の方が行く場所」「ローカルルールがあって怖い」「設備が不十分」。銭湯にマイナスなイメージを持つ方こそ、ぜひ府中「桜湯」で銭湯の魅力を体感してみてください。
取材執筆:はせがわみき