「源泉かけ流し」とは「浴槽内のお湯を循環させない」こと

まずは「循環式」の温泉と、「かけ流し」の温泉の違いについて。浴槽から溢れたお湯を再び浴槽に戻して再利用する温泉を「循環式」と呼び、反対に溢れたお湯を再利用せず常時新しいお湯を注入し続ける温泉を「かけ流し」と呼びます。
それを踏まえた上で「源泉かけ流し」の定義とは、お湯を再利用せず、かつ加温(お湯を温めること)を認めている温泉のことで、加水する(水を加える)ことはできません。ちなみに加温した場合はその旨と理由を記載する義務があり、また自治体によっては塩素消毒を義務付けているところもあります。
名前はそっくりだが実は別物の「源泉かけ流し」と「源泉100%かけ流し」

続けて「源泉100%かけ流し」という言葉をご紹介します。「源泉かけ流し」と似ているので同じ意味かと思いきや、実はそれぞれ微妙に定義が異なる別物。わずかな加温や塩素消毒をおこなったものを「源泉かけ流し」と呼ぶ一方、それらを一切おこなっていないものは「源泉100%かけ流し」と表記することができます。
ちなみに「温泉かけ流し」とは加温、塩素消毒だけでなく加水をおこなったもののこと。このように「かけ流し」には3種類あり、いずれも異なる定義を持っています。温泉選びの際はぜひ注目してみてください。
「天然温泉」と「人工温泉」の違いとは

最後に「天然温泉」と「人工温泉」をご紹介します。「天然温泉」とは、地中から湧き出しており、温泉法で定められた成分などの条件を満たした温泉のこと。温泉施設で「天然温泉」とだけ表記されている場合、浴槽のお湯を循環して再利用しているケースがほとんど。加水や加温をおこない温度調整がおこなわれている場合もあります。
対して「人工温泉」とは、名前の通り人工的に作られた温泉のこと。お湯に天然鉱物由来の薬剤や鉱石などを加えているものを指しています。温泉法では「人工温泉」は温泉と認められていないため、泉質表示や適応症・禁忌症の掲示をすることはできません。
一見するとこれらよりも「源泉かけ流し」の方が優れているようにも感じられますが、実はデメリットも存在しています。まずは「源泉かけ流し」は温度調節が難しいという点。温泉施設によっては常に高温のお湯を注ぎ続けている場所もあるため、熱いお風呂が苦手な人には辛く感じてしまい、快適に過ごすことが難しい場合があるかもしれません。また注がれるお湯の量が少ないと浴槽に汚れが溜まりやすいというデメリットもあります。
温泉は「源泉かけ流し意外はだめ!」というわけでありません。それぞれの良さや違いを知り選択肢を広げることで、チルい時間を過ごせる素敵な温泉との出会いがあるかも。ぜひ参考にしてみてくださいね。