下着姿でストレスを解放する「カルサリキャンニト」

「カルサリキャンニト」とは、どこにも外出せずに自宅で下着姿のままお酒を飲むことを表す言葉。「カルサリカンニ」とも呼ばれており、フィンランドの変わった風習のひとつです。しかしフィンランドの人たちにとって、「カルサリキャンニト」はただ下着姿でお酒を飲むためのものではありません。
非常に寒さが厳しく日照時間も短いフィンランドの冬。人々は外出せずに暖かくした家の中で過ごすことが多くなります。太陽の光をあまり浴びずに家の中にこもっていると、どうしても気持ちは滅入るもの。「カルサリキャンニト」はそんなストレスを解放し、自宅時間を心地よくリラックスしたものにするための風習なのです。
「カルサリキャンニト」は英語圏では「パンツドランク」と英訳されており、人気のリラックス法となっています。一昔前では「下着のままお酒を飲むなんてだらしない」と言われそうなものですが、日本でも徐々に実践する人が増えてきているよう。ネット上でも「今日はゆっくりカルサリキャンニト」「カルサリキャンニトめっちゃいい」という声が見られ、日々のストレスから解放されるための手段として使っている様子が伺えます。
何気ない日常を彩るデンマーク発祥の「ヒュッゲ」な時間

北欧発のリラックス文化は他にもあります。デンマークの「ヒュッゲ」という言葉は「居心地がいい時間、楽しい時間」を指し、デンマークでは非常に重要な価値観のひとつ。最近ではデンマーク以外の国々でも徐々に浸透中です。
デンマークの人たちにとっての「ヒュッゲ」は家で友人や家族とゆっくり食事をしたり、ひとりで日向ぼっこをしながらボーっとしたりする時間などを意味します。日本においては寒い冬の日にこたつの中で家族や友人と鍋をつついたり、テレビを観たりしてゆっくり過ごす時間に近いものがあるかもしれません。
豪華な外食や旅行はもちろん素晴らしいひとときです。しかし、何気ない日常の中でのゆったりとしたひとときに幸せを見出すのがデンマークの人たちの考え方。このマインドは今、世界でも注目を集めています。
仲間と過ごすコーヒーブレイク「フィーカ」

「ヒュッゲ」と似ていますが、スウェーデンには「フィーカ」という文化もあります。「フィーカ」は家族や仕事仲間、友人たちとコーヒーを飲みながら甘いものを食べる習慣のこと。こちらも「ヒュッゲ」と同じく、日常にちょっとした温もりや彩りを感じるためのライフスタイルです。
世界幸福度ランキングでも上位を占める北欧の国々。医療や福祉、教育などの充実が上位になる理由のひとつではありますが、厳しい自然環境との共生の中で生まれた文化やマインドも幸福度に表れていると考えられます。
「カルサリキャンニト」や「ヒュッゲ」、「フィーカ」といった北欧のリラックス文化は、日々の生活にちょっとした幸せを与えてくれる時間。仕事やプライベートで追われている時は、ぜひ実施してみてはいかがでしょうか?