コーヒーがお酒の代わりに!?

国民の多くが日常の中でコーヒーをよく飲むとされるノルウェー。2022年におこなわれたICO(国際コーヒー機関)の調査では、日本における年間コーヒー消費量がひとり当たり3.5kgなのに対し、ノルウェーは倍以上の8.0kgです。また他国と比較しても、ひとり当たりの年間コーヒー消費量はトップ5に入るほど。データから見ても、ノルウェーのコーヒー好きな国民性がわかります。
18世紀にはブラジルとの貿易によって、高品質なアラビカ種のコーヒー豆輸入をスタートさせたノルウェー。そこからノルウェーのスペシャルティコーヒー文化が生まれました。
なおノルウェーでコーヒー文化が広まった背景には、1900年代に北欧で敷かれた禁酒令の影響があるとされているよう。もともとお酒が大好きだったノルウェー人たちが、お酒の代わりにコーヒーを飲むようになったことがきっかけと言われています。
またコミュニケーションツールのひとつとしてお茶をする習慣があるのも、コーヒーがノルウェー人の生活に根付いた理由のひとつ。特に週末のミサの後にコーヒーやお菓子を楽しみながら交流する「教会コーヒー」という文化は、人々の暮らしの中でコーヒーをさらに浸透させました。
北欧で愛される「ノルディックロースト」の魅力

ノルウェーをはじめ北欧の人々によく飲まれているコーヒーの特徴は、浅煎りであることです。そのためノルウェーコーヒーは苦味が少なく、軽やかな口当たりと適度な酸味、果実のようなフルーティーさが魅力。
またこうしたコーヒーの果実味を生かす焙煎方法は「ノルディックロースト」と呼ばれ、コーヒーのジャンルのひとつとして、ノルウェーの首都オスロから広がったとも言われています。
ノルディックローストのコーヒーは深煎りのコーヒーに比べると飲みやすいので、ひとり当たりの消費量の多さにも納得。コーヒー好きな国民性との相性はバッチリです。
本場のノルウェーコーヒーを日本でも!

独自の魅力が詰まったノルウェーコーヒー。現地に行かなければ楽しめないかと思いきや、実は日本でも味わえます。
2012年にはノルウェー・オスロ発のカフェ&バー「FUGLEN」が、東京・渋谷に海外進出第1号店となる「FUGLEN TOKYO」をオープン。さらに「FUGLEN ASAKUSA」として2018年より浅草にも進出しているほか、関東を中心に計6店舗を展開中です。
「FUGLEN」では高品質なコーヒー豆を、シーズンごとに各生産国から買い付け。ブレンドはせず、それぞれの豆の個性を活かした味わいに仕上げています。1963年からの歴史を持つカフェで愛される、本場のノルディックローストコーヒーを気軽に楽しめることでしょう。気になる人はぜひ足を運んでみてくださいね。