1. モダン建築がたまらない文京区「ふくの湯」へ
東京メトロ千代田線の千駄木駅から歩くこと約15分、銭湯らしからぬシックな見た目の銭湯が出現! 今回ご紹介する「ふくの湯」です。
人気の観光地でもある東京下町「谷根千」エリアの端っこに位置していて、まち歩きがてら立ち寄る人も多いそうです。
銭湯はなんと2階にあります。いす式階段昇降機も付いているので、階段の昇り降りが大変な方でも安心して利用できます。さて、まずはさっそくお風呂へ。
こだわりは細部に宿る
のれんをくぐった先にあったのは、「いろはにほへと」の乙なロッカー。最近はインバウンド需要で外国からのお客さんも多いそう。このロッカー、日本らしさもあってウケがよさそうですね。
まず目に飛び込んできたのは、洗い場の中央に鎮座する六角形のカラン! 銭湯ではまず見たことがありません。
湯船に浸かりながら浴室を見渡してみると、タイルの可愛さが目につきます。大小さまざまなタイルが使われているので、ぜひ注目してみてください。照明も丸いものから行燈(あんどん)風のものまであって、見ていて飽きません。
銭湯の醍醐味「ペンキ絵」
浴槽の上には「一富士二鷹三茄子」の立派なペンキ絵。落ち着いたトーンで浴室の雰囲気にぴったりです。(実は先日、6年ぶりにペンキ絵がリニューアル。取材時の写真の絵柄とは異なります。ぜひ実物を見に行ってみてくださいね)
浴室は週替わりとのことで、せっかくなのでもうひとつの浴室も見せていただきました。
こちらは「一富士二鷹三茄子」のペンキ絵の下に松のモザイク絵が。金屏風のようでゴージャスです。銭湯なのに旅館に来たような気分になってきますよね〜。
週替わりでヒノキ or 大理石の浴槽
浴槽は大理石 or ヒノキ。ヒノキのほうは香り湯になっていて、この時は玉露でした。お湯の温度は熱すぎず、下町の銭湯デビューにもおすすめです。
さて、銭湯を堪能したあとは、3代目店主の村西将明さんに話を聞きました。
創業は1972年。もともと大田区で銭湯を営んでいた先先代が、この地に移り住んできたことが開業のきっかけだそう。
2011年にリニューアルし、現在のふくの湯に。設計を担当したのは、銭湯やサウナ建築で知られる今井健太郎氏。印象的なペンキ絵は銭湯絵師の丸山清人氏と中島盛夫氏によるものだそう。
「地域コミュニティで大事な場所になっている銭湯は、なくなってはならない」と3代目。お年寄りのヒートショックや浴槽での事故なども増えている昨今、たくさんの人の目がある銭湯は、地域の安全安心のためにも重要な場所だと改めて感じました。
▼ふくの湯
住所:東京都千駄木5-41-5
電話番号:03-3823-0371
営業時間:11:00 〜 24:00(土日祝祭日 8:00 〜 24:00)
定休日:木曜日
2. 【ランチ①】地元の人にも人気の定食屋「動坂食堂」へ
銭湯から出て、小腹が減ったら、3代目おすすめの定食屋「動坂食堂」へ。ここは地元の人も訪れる人気店。通し営業なので、ランチ時間に漏れてしまった時などにもありがたいですね。ふくの湯からは徒歩8分ほど。
エビフライが2本、白身魚、ホタテ、ヒレカツ、シシトウの5つものって1000円以下(涙)。最高すぎます。タルタルソースがたっぷりなのもうれしい。
▼動坂食堂
住所:東京都千駄木4-13-6 アドリーム文京動坂1F
電話番号:03-3828-4498
営業時間:10:30〜20:30(L.O. 20:00)
定休日:日・祝日
3.【ランチ②】行列が絶えない中華料理店「兆徳」
和食以外でお探しなら、おすすめは中華料理の「兆徳」。その代わり、並びは必至です。「お店ではなかなか食べられないのでテイクアウトしています」と3代目。ちなみに、兆徳の主人はふくの湯の常連さんだとか。
せっかく近くに来たのなら、一度は試す価値のある名店です。ふくの湯から徒歩約10分。
▼兆徳
住所:東京都文京区向丘1-10-5
電話番号:03-3828-4498
営業時間:
【平日】ランチ 11:30~14:30、ディナー 17:30~23:00
【土・日・祝】ランチ 11:30~14:30、ディナー 17:30~22:00
定休日:月
その後は歩いて谷中銀座を散策するのもおすすめ。ふくの湯でととのって、お腹も満たされて、下町を思う存分楽しめること間違いなし!
取材・執筆:温泉たま子