日本茶は日本で飲まれるお茶の総称
日本茶は日本で作られるお茶を意味し、そのなかでも緑茶を指します。蒸し製と釜炒り製の2種類の製法がありますが、蒸し製が主流。蒸す・揉む・乾かす、という3つの工程で作られています。日本茶は蒸して熱を加えることで、茶葉を発酵させません。そのため「不発酵茶」とも言われています。
日本茶のスタンダード「煎茶」
“緑茶といえば煎茶”といわれるほど、私たちが普段よく飲んでいるスタンダードなお茶である煎茶。日光を浴びて育った新芽をすぐに蒸して、揉みながら乾燥させています。煎茶は甘みや苦みのバランスが良く、すっきりとした味わいが特徴と言えるでしょう。
また煎茶には、茶葉を蒸す時間によって分けられる「浅蒸し煎茶」「深蒸し煎茶」があります。深蒸し煎茶は、2倍から3倍以上時間をかけて蒸すことで、渋みのない濃厚な味わいに。浅蒸し煎茶はさらりとした飲み口が特徴で、爽やかで芳醇な香りを楽しめますよ。
日本茶のなかでも高級な「玉露」
よく耳にすることがある玉露は、日本茶のなかでもランクの高いお茶。新芽が開き始めたころに茶園を布などの遮光できるもので覆い、20日ほど光を遮って育てられます。日光を遮ることでカテキンの生成が抑えられ、渋みが少なく旨味やコクが豊富に。
玉露よりも日光を遮る期間が1週間と短いお茶が「かぶせ茶」です。かぶせ茶は、玉露と煎茶の中間の味わいが楽しめます。旨味と香りを楽しみながらチルタイムを過ごしてみてはいかがでしょうか。
抹茶の原料になる「てん茶」
茶葉を蒸したら揉まずに乾燥させ、茎や葉脈などの繊維質を取り除いたものが「てん茶」です。玉露と同じように覆いをして日光を遮って育てる方法と、日光を当てて育てる方法があります。日光を遮って育てたてん茶は、青海苔のような見た目と香りが特徴。主に茶道のお点前用に使用されることが多いお茶です。
日光を当てて育てたてん茶は適度な渋味があるため、お菓子の原料として使われます。てん茶を石臼などで挽いたものが抹茶。てん茶そのものが出回ることはほとんどなく、抹茶として販売されています。
渋味が強めの「番茶」
番茶は、新芽が成長して硬くなった葉や古い葉、茎を利用して作られたお茶。4月~5月に摘まれる一番茶をはじめ、二番茶、三番茶、秋冬茶に分類されます。地域によって異なる製法で作られるため、地域特有の番茶を楽しむのもおすすめですよ。
お米を混ぜて作る「玄米茶」
煎茶や番茶に、炒ったお米をほぼ同量の割合で混ぜた玄米茶は、お米の香ばしさとすっきりとした味わいが楽しめます。お米が入ることで使われる茶葉が減り、カフェインの量も少ないのが特徴です。
基本的に番茶が使われることが多いですが、最近では煎茶や抹茶入りの玄米茶もあります。お米にブレンドする茶葉によって味が変わるので、いろいろ試してお気に入りを見つけるのもいいですね。
香ばしさが魅力の「ほうじ茶」
ほうじ茶は下級の煎茶や番茶などをきつね色になるまで炒り、香ばしさを引き出したお茶。焙煎の過程でカフェインが飛ぶので、渋味や苦みが少なく香ばしい香りと口当たりの良さが魅力です。
一言で「日本茶」といっても、種類毎に特徴があります。気分に合わせて茶葉を選んで、大人のチル時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。