北海道に生まれ育って数十年、道産子の温泉ソムリエ&サウナ・スパプロフェッショナルが、北海道の王道&隠れ人気サウナを本気で選びました。聖地巡り初心者のための王道サウナ4施設と、2度目、3度目のサウナ旅におすすめしたい、隠れ人気サウナ3施設をご紹介。圧倒的なアウトドアフィールドに飛び込んで、大自然に抱かれるサウナ体験をぜひお楽しみください。サウナの聖地「北海道」へようこそ!
なぜ北海道が「サウナの聖地」なのか?

いつしか「サウナの聖地」と呼ばれるようになった北海道。その「聖地」たるゆえんは、やはり本場フィンランドにも似た、四季豊かな圧倒的大自然にあります。
サウナ、水風呂、外気浴。これらが自然に近いフィールドで実現でき、心身ともに解放される体験を求めて、多くの若者たちが海峡を越えてやってきます。
そうして多くのサウナーが集まるようになったことから、多種多様なサウナが次々に誕生。サウナーが集まる場所としても、北海道が「聖地」と呼ばれるようになりました。
まずはここ!サウナーが集う、北海道の王道サウナ4選
北海道のサウナ旅を楽しむなら、まず行っておきたいのが、サウナーなら誰でも知っているこちらの4施設。札幌、旭川、十勝、オホーツク、釧路と、それぞれの地方の王道サウナを集めました。
【札幌市】言わずと知れた、北のサウナ王者 「ニコーリフレ」(男性専用)

北海道の入り口である大都会、札幌市にあるのが「ニコーリフレ」です。この名前を知らなければサウナーは名乗れない、と言っていいほどの王道サウナです。サウナをエンタメとして楽しみたいなら、ぜひ熱波を体験してみてください。
サウナストーンにアロマ水をかける「ロウリュ」をすれば、サウナ内の温度が急上昇。熱波師と呼ばれるパフォーマーがタオルを使ってサウナ内に灼熱の風を起こします。王者の名にふさわしい、強烈な洗礼を浴びることになるでしょう。
自分と向き合う時間を満喫したいときは、ロッキーサウナがおすすめです。本場フィンランドと同じく、温度設定は80℃前後。じっくりゆっくりあたたまって、16℃以下のやさしい水風呂でととのい体験を。
カプセルホテルにチェックインすれば、サウナや麻雀、漫画が24時間利用できる天国のような環境です。一度入ると帰りたくなくなる「沼サウナ」になること間違いありません。
【上富良野町】北海道の聖地と言えばこの秘境サウナ「白銀荘」

西の王者がニコーリフレならば、白銀荘は北の横綱といったところ。その歴史は古く、建設は昭和8年(1933年)にまでさかのぼります。ドラマ『北の国から』のロケ地として有名な『吹上露天の湯』もすぐ近くにあるので、あわせて訪れたいところです。
「聖地」と呼ばれる理由は、標高約1000mという、簡単にはたどり着けない立地にあります。また、冬にはパウダースノーの中に飛び込む「雪ダイブ」ができることも大きな魅力。
雪ダイブは、北海道の冬にしかできない、貴重な体験。ふわっと雪に包まれた次の瞬間、全身を刺すような冷たさが訪れる感覚は、体験した人にしかわかりません。それゆえ、白銀荘に行くなら1月から3月の間がベストタイミングです。
【帯広市】十勝は水の聖地。道東サウナの入り口は「北海道ホテル」から

十勝在住の私がお伝えしたいのは、「アウトドアサウナの聖地は十勝である」ということ。どこまでも広がる大地と空、牛が放牧されている北海道らしい景色は、ここ十勝に凝縮されているからです。
そんな十勝を代表するサウナといえば、『北海道ホテル』。帯広の老舗ホテルであり、十勝サウナを牽引する存在として、地元民からも観光客からも愛されています。
すぐにサウナに入りたい気持ちをこらえて、まずは、十勝を代表するモール温泉をご堪能ください。お湯に入った瞬間から、トロリと肌にまとわりつく泉質を感じられます。その後のサウナと水風呂で、極上のととのいコースへまっしぐら。
帯広市の水道水は、過去に日本一に選ばれた札内川などを水源としています。飲んでおいしく、水風呂として浸かると、やさしい肌触りでいつまでも入っていたくなるほど。この水こそが、極上のととのいの理由です。水の代わりにモール温泉をサウナストーンにかける「モーリュ」で、芯からあたたまる体験を。
【斜里町】オホーツク海と流氷と。最果てのサウナ「北こぶし知床 ホテル&リゾート」

北海道在住の私にとっても、知床は最果ての地。斜里町の市街地を越えて知床半島に踏み入ると、異世界のような光景が広がります。
そんな知床半島のウトロ地区、オホーツク海を臨む港の目の前に建っているのが、『北こぶし知床ホテル&リゾート』。流氷をイメージした「KAKUUNA(カクウナ)」と木の洞窟をイメージした「UNEUNA(ウネウナ)」の2種類のサウナを男女入れ替え制で楽しめます。
窓の外に広がる海を見ながら、ボーッと身を任せる時間は、何ものにも代えがたいもの。最果ての地にたどりついた高揚感からか、頭が空っぽになり、自分の内側へと意識が向かっていく感覚を味わえるでしょう。
目の前には大自然しかない場所で、自分も野生動物に戻ったような、不思議な気持ちになります。
最果て感をもっとも味わえる時期は、流氷が訪れる2月中旬。陸の延長のように続く流氷と、その海越しに沈んでゆく夕陽の姿は、人生で一度は見るべき絶景といえます。
圧倒的な自然を楽しむ、泊まれるアウトドアサウナ3選
北海道のサウナをもっと満喫するなら、大自然の中でプライベートな時間を過ごせる、アウトドアサウナへ。四季折々の風景が楽しめるのもアウトドアサウナの魅力。きっと「サウナの聖地は北海道である」という言葉に、深く納得していただけるはずです。
住所のない森の中へ。日常の中の非日常「マウンテンサウナ」

「冒険するように来店してほしい」との思いから、あえて住所は非公開。座標を場所として公開しているのが、ファームレストラン「マウンテンマン」です。
札幌市の森の中にあるこの施設は、採れたての野菜やハンターが仕留めたジビエを味わえる、特別なレストラン。施設内での食事のほか、食材や道具をすべて用意してもらえるBBQを、一年中楽しむことができます。
サウナは、あくまで「食事をおいしく食べるため」の隠し味。テントサウナでしっかりあたたまったあとは、敷地内を流れる川を水風呂代わりに。冬はもちろん、雪ダイブを楽しんでください。
サウナは食事の前後どちらかを選べるのですが、私のおすすめは、やはり食事の前。しっかりととのい、とぎすまされた五感で味わう食事は格別です。サウナめしには、北海道名物のジンギスカン!真冬に、薪火で暖をとりながらのアウトドアBBQは、ほかではできない非日常の体験です。
【帯広市】約20ヘクタールの外気浴。十勝農家が営む「カンノンサウナ」

大人だって、時には大声を出してはしゃぎたい。友達やパートナーと、心ゆくまで語らうひとときを過ごすなら、プライベートサウナ付きのゲストハウスへ。大声ではしゃぐのも、歌を歌うのも、写真を撮るのも、サウナもBBQも。プライベート空間だからこそできる楽しみ方があります。
ダンプの荷台にセルフビルドしたサウナには、珍しいエストニア製「HUUM(フーム)」のストーブを設置。自分たちで薪をくべて入るサウナは、北欧の暮らしそのものです。
7種類のアロマオイルから好きな香りをチョイスしてできるロウリュ。まるい形の石から発せられる蒸気が、やさしく肌に染み込みます。小さな小窓があるだけの空間から、一歩外に出れば、目の前には季節ごと、年ごとに違う畑の風景が。
まるで観音様が寝転んだように見える日高山脈の山並みと、満天の星空に抱かれる、特別な時間を過ごせます。
【標茶町】釧路湿原を走るSLを眺めながらととのう「THE GEEK」

十勝からさらに東へ。釧路・根室地方の大御所と言えばここ『THE GEEK』。釧路湿原の中の泊まれるサウナです。大きな窓から見えるのは、北海道らしい白樺の並木と、湿原を走る鉄道。
ギークのある塘路(とうろ)駅は、釧路と網走を結ぶ釧網本線の主要駅。1月から3月は、昔ながらのSL湿原号が走る勇姿が見られることから「SLサウナ」とも呼ばれています。
定員8名のサウナはグループでの貸切利用でも、相席ならぬ“相サウナ”で偶然の出会いを楽しんでもOK。機関庫を模したサウナストーブから出る、あつあつの蒸気を浴びて、サウナトークも盛り上がります。
運が良ければ、目の前に広がる釧路湿原に、北海道の道東地域にしか生息していないタンチョウの姿が見られることも。はるか昔から変わらない自然の営みが感じられる場所。旅人と旅人が交差する、そんな駅のような存在のサウナです。
まとめ:自然と暮らしの中にあるサウナ。それが聖地、北海道

みなさん、サウナを巡る北海道の旅、いかがだったでしょうか?街の近くで、山の中で、森の中で……広い北海道には、さまざまな個性あふれるサウナがあります。
そのどれもが、日常の暮らしの中にあり、決して特別な存在ではないこと。それが「サウナの聖地北海道」の真髄といえるのかもしれません。
だからきっと、何度も訪れてしまう。また新たなサウナを探してしまう。そして、そんなサウナのそばには、おいしい食べ物や魅力的な風景が、たっぷりと用意されています。
日帰りはもちろん、泊まれるサウナも多いのが北海道。仲間とわいわい過ごすのも、大切な人とゆっくり過ごすのも、そして自分自身ととことん向き合うのにも、目的に合わせた最適なサウナが、必ずどこかにあります。ぜひ、泊まって、ゆっくりとした時間を楽しんでください。サウナの聖地、北海道でお待ちしています。


