高い煙突とスタイリッシュな外観が目印!

第一金乗湯は、上板橋駅から12分ほど歩いたところにあります。目印となるのは、施設の奥に見える高い煙突と、ネイビーとグレーを混ぜあわせたようなシックな色の建物。「ゆ」と書かれた黄色の暖簾が映えますね!駐車場はお店の前に2台、裏に2台分のスペースがあります。

木目調のデザインとやさしい明かりのある受付。落ち着きのある雰囲気をかもし出しています。開店したての時間はお年を召したお客さんが多く、21時頃は20〜40代の人まで、毎日幅広い年齢層の方がくるそうです。

タオルのレンタルのほか、リンスインシャンプーやボディーソープが入った「手ぶらセット」も販売しています。支払いは現金のほかに電子決済もできます。

脱衣所はまるで高級宿のような雰囲気!天井からつるされている和風のシャンデリアがおしゃれです。荷物置き場は、札を取り外しできるロッカーと、着替えを入れられる籠の二つがあります。
浴室に足を踏み入れると視界に入る、さわやかなブルーのペンキ絵

2013年にリニューアルした第一金乗湯。10年以上前に改装したようには見えないきれいさです!

力強い絵柄のペンキ絵は2024年4月の作品だそう。銭湯絵師の中島盛夫さんと丸山清人さんが描いています。丸山絵師はすでに引退されていて、現役時の貴重な作品が見られる場所でもあります!さわやかなブルーの色合いが、視覚から心身を癒してくれそうです。

洗い場の数が豊富な第一金乗湯。開店後すぐに訪問すると、常連さんがたくさんいらっしゃいましたが、洗う場所に困ることはありませんでした。備え付けのリンスインシャンプーとボディーソープがあるのもうれしいポイントです!
お風呂はすべて温泉!一押しはバドガシュタイン鉱石風呂

なんといっても第一金乗湯の魅力は、温泉の認定を受けているところ。都内23区で温泉に入れる銭湯は、そう多くありません。もちろんシャワーやカランから出てくるお湯も、すべて温泉です!実際に体を洗うとやわらかな触り心地で、洗い流したあとの肌はすべすべになったと感じました。

温泉の認定を受けたきっかけは、水質検査をしたときに、標準よりもpH値が高いとわかったことでした。温泉分析書によると、pH値は8.02。弱アルカリ性の、いわゆる「美人の湯」と同じ泉質です。約200メートルの深さからくみ上げられた良質な天然水です。

無味無臭でやさしい温泉なので、肌への刺激もマイルドです。硫黄のような温泉のにおいが苦手な人でも、安心して入れます。

お風呂の目玉は、バドガシュタイン鉱石風呂。オーストリアのバドガシュタイン地方でしか採掘できない鉱石です。浴槽に入れるとラドン温泉になり、さまざまな不調の緩和が期待できると言われています。日本でこの鉱石が使われている温浴施設は、わずか20軒ほどしかありません(2025年5月時点)。
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バドガシュタイン鉱石風呂の浴槽は、もともと薬湯でしたが、コストの関係で続けるのが難しくなってしまったそうです。それでも「お客様に喜んでもらえるお風呂を提供したい」との思いから、鉱石を入れることにしたのだとか。実際に入ったところ、38度ほどでとても心地がよく、ずっとつかっていられる気持ちよさでした!

ジェット風呂は3種類あります。背中や腰の脇など、それぞれ違うところにあたってくれて、じわじわと体がほぐれます。

白湯はやや熱めの40度。奥には電気風呂コーナーがありました!お湯は薪をつかって沸かしているそうで、やわらかな入り心地です。

入り口付近にある水風呂はキンキンに冷えています。サウナはありませんが、白湯やジェット風呂のあとに水風呂に入って温冷交代浴をすると、サウナでととのう感覚に近いものが得られそうだと感じました。
アイスやドリンクをお供に、広々としたロビーでまったり

受付横にはアイスとドリンクが売っています。アルコールからソフトドリンクまで種類はさまざま。体が温まった入浴後のお供にいかがでしょうか?

入浴後には、受付横のロビーでゆっくりするのがおすすめ。ベンチにはオレンジ色のマッサージ機や、子ども向けの絵本なども置いてありました。家族でお風呂に入って、広々としたロビーでまったり過ごすこともできそうですね。

3代目の高田さんは、銭湯経営を引き継ぐ前は企業につとめるビジネスパーソンでした。小さい頃から銭湯を営む家で育ち、「ゆくゆくは自分がここを継ぐことになるだろう」と考えていたそう。今は第一金乗湯のオーナーだけでなく、板橋区銭湯組合の支部長としても活動されています。
「銭湯は生活の一部のようなもの。日常的にきていただいて、マナーを守りつつ、ゆったりリラックスしてもらえたらうれしいです」とおっしゃっていました。

オーナー高田さんの「きた人にゆったりと過ごしてほしい」という気持ちが、すみずみまで行きわたっている第一金乗湯。良質な温泉は、疲れた体をほぐすだけでなく、心も癒してくれるはず。都内でふらっと温泉に行きたくなったときに、ぜひ訪れてほしい銭湯です。
温泉で体をほぐしたあとは、上板橋のグルメを満喫!
上板橋に行ったら外せないのがご飯。実は上板橋は、SNSでバズを起こしたお店や、口コミで評判の高いお店などがあるグルメの町なんです!温泉に入ってチルな時間を過ごしたら、お腹いっぱいご飯を食べてみませんか?おすすめの飲食店を3つ紹介します。
HUNGRY HEAVEN(ハンバーガー)
上板橋の駅前にある『HUNGRY HEAVEN』。ハンバーガーは6種類のソースを選べるので、くるたびに味を変えて楽しめそうです。バンズはソースやお肉を引き立てる、やさしい食べ応え。見た目はインパクトがありますが、レタスやトマトなど野菜が多めなので、ぺろっと食べられました。アメリカンな雰囲気を味わいたい方にはとてもおすすめです!
蒙古タンメン中本 上板橋本店(ラーメン)
『蒙古タンメン中本 上板橋本店』は、駅の北口を出て目の前のビルにあります。同ブランドは関東を中心に多数店舗を展開していますが、本店の味は蒙古タンメンフリークのなかでも人気が高いのだとか。
写真の『蒙古タンメン』は、味噌タンメンに特製麻婆豆腐がのった一番人気のメニューです。一度食べたらやみつきになること間違いありません!
ほろよい(居酒屋)
Chill+編集長の一押しは、安くて美味しい居酒屋『ほろよい』です。上板橋駅から徒歩10分の場所にあります。特においしいのは海鮮料理!刺身盛合せは、ぷりぷりのお刺身がたっぷりのったボリュームです。このお店だけでも、上板橋まで行く価値があります!
実はグルメがあつい町、上板橋。銭湯とあわせて、おいしい料理を探しに行くのもおすすめです!
取材・執筆:穴山悠理