1日目:一歩入れば異空間。旅の始まりは無限のランプから
御船山楽園ホテルがあるのは、佐賀県武雄市。今回は福岡でレンタカーを借りて向かいました。武雄温泉駅から送迎バス(要事前予約)も出ているようです。

木々に囲まれた敷地内に足を踏み入れると、一見落ち着いた佇まいの建物が現れます。しかし、一歩中へ入ると……。

「ええっ、なにこれ!?」 目の前に広がっていたのは、体験型デジタルアートで有名な「チームラボ」による幻想的な世界。
無数のランプが灯る浮遊空間に、自分がどこにいるのか一瞬わからなくなるほど。ふわふわした心地よい高揚感に包まれながら、カウンターでチェックインを済ませます。

そのままフロント横にあるカフェバーでドリンクとお茶菓子をいただきました。アートを眺めながらお茶をいただき、優雅な時間を過ごします。

続いてお部屋へ。御船山楽園ホテル本館の客室には、日本の地名が名付けられています。今回私たちが宿泊したのは「佐渡」。大きな窓から御船山の豊かな自然が見渡せる、凛とした佇まいの和室です。


チームラボのアートな空間から一転、格式高い和室に移動し「らかんの湯がすぐそこに…!」という気持ちが高まります。
常識を打ち破る!サウナシュラン殿堂入りのお風呂とは

らかんの湯には趣が異なる2つの浴場があります。翌日の朝には男女が逆になっているので、宿泊当日とチェックアウトする日の朝、どちらも入らないと損というもの!
さっそく夕飯の時間までサウナを堪能するぞー!と、ワクワクしながら移動します。


脱衣所を抜け、いざ浴場へ。 そこは黒を基調とした、静謐で落ち着きのある空間でした。驚いたのは、建物の中に本物の木が生えていること!入り口からすでに、らかんの湯ならではの圧倒的なこだわりが伝わってきます。

浴槽は白湯と薬湯に加え、露天風呂があります。お湯は武雄温泉の循環ろ過だそう。宿泊した日は今年一番の寒波の日でしたが、温泉のおかげで芯から温まりました。

らかんの湯には複数のサウナがありますが、女湯の内湯につながっているのは「薬草スチームサウナ」。2021年にリニューアルされた比較的新しいエリアです。 扉を開けると、そこは真っ白なスチームで視界がゼロになるほど!一般的にスチームサウナはマイルドな印象ですが、ここでは力強い熱気を感じました。
薬草スチームサウナから外に出ると、目の前には真っ白な水風呂。まるでギリシャ・サントリーニ島の一角のよう。神聖な気持ちになりつつ、火照った体を静かに鎮めます。

そして、らかんの湯の代名詞ともいえるのが、この「白い洞窟サウナ(メディテーションサウナ)」。 一見すると入り口が分かりにくい隠れ家のような造りで、見逃してしまうところでした。危ない危ない…!

「キューゲル」と呼ばれる、アロマを閉じ込めた氷のボールをサウナストーンに乗せて楽しみます。この日のアロマは、みかんとハッカの2種類でした。

ドラマ「サ道」や芸能人のYouTubeで見た景色が目の前に・・・!キューゲルがじゅわ〜っと溶け出す音とともに、爽やかな香りと熱気が室内に広がります。かなり温度が高めなので、足元にもタオルを敷いてじっくりと汗を流しました。


サウナを出ると目の前に水風呂。水色をベースにしたタイルの模様がかわいらしいです。しかも深さは100cm!武雄温泉の源泉を使った贅沢な水風呂です。すでにチルレベルがMAXに到達する勢いなのですが、見どころはまだまだあります。

露天ゾーンの中央にはなにやらガラス張りのおしゃれな部屋らしきものが。入ってみると、なんと喫茶室でした!「こんなおしゃれな空間なのに裸で過ごしていいのだろうか…」と一瞬迷うほど。

喫茶コーナーには玉羊羹に塩プリン、ドライみかん、かりんとう、温かいほうじ茶、3種のデトックスウォーターなどが並びます。食いしん坊のサウナ-を骨抜きにするラインナップですね。



部屋の中には薪ストーブや蝋燭の火がゆらめいています。サウナの後にここでととのう時間は、空間にとけていくような感覚でした…。

一番奥には、存在感のある薪サウナ。 扉を開けると階段があり、上へ行くほど熱気が増していきます。このサウナ、実は壁一枚を隔てて男女が同じ空間を共有しているという珍しい構造なんです。ストーブとちょっと距離がありますが、セルフロウリュも可能です。

使われているのは御船山のサウナストーン、武雄温泉の天然水、地元の間伐材。すぐ近くにある自然を活用する、サステイナブルな仕様になっています。

薪サウナ横の水風呂は深さ60cmの、御船山の天然水。ひんやりしつつもまろやかでした!すべてのサウナのすぐ近くに水風呂があり、理想の導線をよくわかっていらっしゃる!と頷いてしまいました。

浴場をぐるっとまわって気づいたのは、イスの形がどれも違うこと。インフィニティ風のクッションイス、おもちのような座面で包み込んでくれるイス、ゆりかごのように揺れるイスなど、色々なイスに座るのが楽しい…! ととのい方もイスによって変わってきそうです。

最後は休憩スペースでのんびり。この日は中央に焚火がたかれていました。
揺れる炎を見ながらチルする時間は贅沢の極み。真冬の気温でしたが、焚火の近くにいれば不思議と寒さは気になりませんでした。

「これを経験してしまったら、他のサウナに満足できないのでは?」と幸せな不安が押し寄せてきます。でも今は、この瞬間を最大限楽しみます!

アメニティはMARKS&WEBで統一され、ドライヤーはダイソンやリュミエリーナなど超実力派揃い。細部まで徹底されたホスピタリティに、体も心も満たされるようでした。
廃墟とのコラボや夜景のシンメトリー…御船山の夜はつづく




お風呂をひとしきり満喫したあとは夕食の時間。「季節のおまかせ会席スタンダード」をいただきました。地産地消のメニューで、A5ランク等級の佐賀牛、楽園なべ、白身魚のパイ包みなど。せいろで蒸したお肉を、ナスのナムルと一緒にいただきました。

お腹がいっぱいになったので、夜のサウナに入る前にお散歩タイム。
この日は廃墟となったエリアとチームラボのコラボアートを開催していました。


宿の廃墟となった部分をアレンジした空間。昔お風呂だった場所がキラキラと宇宙のようにきらめき、巨大な柱は幻想的かつヴィヴィッドな光を放っています。
展示コーナーに行くまでは暗い通路をとおるので、本当にこの奥にあるのか…!?とちょっと不安だったのですが、この場所ならではのアートが見られて満足しました!

その後は、隣にある庭園を歩きました。宿泊者は無料で入れるのだそう。水面に映し出される木々のシンメトリーは、まさに絶景。想像以上の広さと、見事なライトアップに圧倒されました。

この日はもう一度サウナに入り、就寝!明日のサウナを楽しみにしつつ眠りました。
2日目:五感を研ぎ澄ます「ほうじ茶サウナ」へ

翌朝には男女の浴場が入れ替わります。「寝坊して入れない」なんて事態になったら、一生の不覚!ということで、早起きしてサウナへ。

まずは、噂に聞いていたドライサウナへ行きました。ここは別名「ほうじ茶サウナ」。
嬉野産のほうじ茶をロウリュできるんです。立ちこめる香ばしいかおりがたまりません。

このサウナに入る光は、一筋だけ。自然光なので、時間帯によって明るさが変わるそう。
最低限の光しか入らないからこそ、五感を研ぎ澄ませてサウナに没入できると感じました。

露天ゾーンにある水風呂は、深さ120cm。武雄温泉の源泉水風呂です。水が透き通っていて美しいですね。

こちらは地下にある水風呂。お城の一角のよう。窓の向こうにはそのままの自然が生い茂っていて、落ち着く空間でした。

上に行くと焚き火コーナーと休憩スペースがあります。朝の澄み渡った空が一面に見えて、気持ちよさは抜群でした。


男性側の喫茶室は2階にあります。藁のような素材のインフィニティチェアでととのいながら、御船山の原生林を見渡せます。窓は全面ガラス張りなので解放感は抜群です!

お菓子は女性側とほぼ同じですが、唯一違うのは、玉羊羹の代わりにかんころ餅があること。しかも焚き火にかざして自分で焼くスタイルなんです。焼きたてを食べられるという贅沢…!2日目になっても楽しみは尽きません。


締めくくりはビュッフェ形式の朝ごはん。ローストポークや湯豆腐、刺身こんにゃくなど、朝の胃腸にやさしいメニューが並びます。

食べ終えた後は再びサウナに行き、10時半にチェックアウト。
名残惜しい気持ちでしたが、滞在していると無限にサウナに入ってしまいそうなのでちょうどいいかもしれません。

ホテルを出るころには雪がハラハラと舞っていました。万人が認める聖地には、至高のサウナとこの土地ならではの自然、そしてぬかりのないホスピタリティがつまっていました。
「ととのいの極み、らかんの湯にあり」といっても過言ではないと感じます。
その圧倒的なクオリティを堪能したい方は、ぜひ一度現地へ。きっと想像を超えるチルが待っています。
執筆:穴山悠理


