史上初!あの「大垣サウナ」が女性のオアシスに

ツアーの一発目に向かったのは、聖地と呼ばれる「大垣サウナ」。大垣は「水の都」と呼ばれるほど水が豊富。
サウナではかけ流しの地下水がこんこんと湧き出ていて、まろやかな肌触りがサウナーたちのハートをつかんでいます。

大垣サウナは男性専用なので、女性は入れません。これまで入ったことがある女性は世界でただ1人、清水みさとさんだけと言われています。
しかし今回は、大垣サウナを貸し切ったので、創業60年間で初めて!高い応募倍率を勝ち抜いた20名の女性たちが入れる日となりました。

社長は「ママ」の愛称で親しまれている岡田昌子さん。現在83歳ですが、元気はつらつとしたお姿で、お店でも一番元気な方だとか。今も現役で働きつづけています。
ツアーバスがくる前にお話を伺ったところ「最近はオシャレなサウナが多いんでしょう?(これからくる女性たちに)満足してもらえるかしら…」と不安を漏らしていました。
今朝は緊張のせいか、いつもより早く目が覚めてしまったそう。そんなに心配してくださるなんて、心遣いがしみます!

今まで女性が入れる日は設けたことがなく、「うちは毎日きてくれる常連さんがいるから。レディースデイをつくったら、常連さんが入れなくなるでしょう。だから、今までもご要望はいただいていたけど、レディースデイはやってこなかったんです。今回は特別ですよ」とのこと。 一生に一回しか入れないと思って、全身全霊でととのいに行きます!
バスが到着すると、普段聞こえない大きなエンジン音に「あら、来たわ!」とスタッフの方々もどよめきます。
バスから降りた女性たちは「キャー!着いた!」「ママさんかわいい!」と色めき立ちます。しばしの撮影タイムをへて、建物の中へ。

大垣サウナの特徴といえば、フロントに靴を預けるシステム。一般的なサウナでは「靴箱の鍵をなくさないように」と注意書きがありますが、この方法ならそういった心配は不要なのでありがたいですね。


ロッカーの上に整然と並べられたタオルも、大垣サウナの名物です。ここに置く理由は、ロッカーの上までしっかり掃除している証なのだとか。ピカピカに清掃してくださるおかげで、ととのいも捗りそうです!




サウナ室はザ・昭和ストロングスタイル。この日の温度計は110℃を指しています。数字だけ見るとバチバチの熱さなのですが、入ってみると痛さや苦しさがなく、予想以上に長く滞在できました!

蒸し時間を快適にしてくれる秘訣は、マットの位置です。通常のサウナでは座面に置かれますが、大垣サウナでは背もたれ部分までマットが貼られています。
寄りかかっても熱さや痛みがないんです。こんな細かなところまで心遣いが行き届いているなんて、さすが聖地としかいいようがありません。

噂に聞いていた「われらサウナ人」。真のサウナーとは、いつどこにいても、これを暗唱できる人なのでしょう(個人的見解です)。

そして大垣名物・地下水かけ流しの水風呂。この水のために全国からサウナーが集まっています。
入ってみると「あれ、体が浮いてる?」と錯覚するような浮遊感。バイブラ機能で浮いているわけではないのですが、いつもより体が軽く感じます。

とろとろしすぎず、かといってジャバジャバする感じもなく、肌にやさしく馴染む水。毛穴のひとつひとつから水分が浸透し、体が清らかになっていく・・・。そんな感覚に陥りました。

その後は館内着を身につけ、フロントに一声かけてからお店の前でととのいタイム。
天上からはほどよい日ざしが差し込み、地上からはやさしい風がそよいできます。周辺はとても静かで、館内の水音だけがサーサーと聞こえてくるのみ。嗚呼、これが大垣サウナ・・・!

参加者のみなさんは「最高ですね!」と言い合いながら、かみしめるようにサウナを堪能していました。
ツアーではまさかの人物が登場!

しっかり蒸されてお腹がすいてきた頃。宴会場でランチタイムです! すき焼き、お刺身、生姜焼きなど豪華メニューがぞくぞくと並びます。

そしてここで特別ゲストが登場。ごはんをいただく前に姿を現したのは・・・なんと濡れ頭巾ちゃん!
初めて女性のサウナーたちが大垣サウナに入ると聞き、お手伝いに駆けつけてくれたそう。
参加者のみなさんからは「えええ!?」「うそー!」と黄色い声が上がりました。

さらなるととのいを祈って、みんなで乾杯をして、ごはんをいただきます!


お肉はとってもボリューミー! ジューシーさが極まっているうえ、食感が柔らかく、口の中でとろけました。
「大垣サウナの生姜焼きは飲みもの」といっても過言ではないと思います(実際はよく噛んでいただきました)。

あっという間に時は過ぎ、大垣サウナを後にします。女性たちからは「レディースデイがなくても、ママに会うためにまた来たい」「大垣サウナに入れて、今年の運は使い果たしたかも…」といった声があがっていました。
憧れの地・大垣サウナに入ることができて、みなさん大満足のご様子でした。ママさん、スタッフの皆様、温かいおもてなしを本当にありがとうございました!
創業80年。日本古来の蒸気風呂「田辺温熱保養所」へ

続いて向かうは、田辺温熱保養所です。終戦直後の1946年に創業し、大垣の地で80年もの歴史をつむいできました。
大垣サウナからはバスで約5分。「サウナはしご」にもってこいのロケーションです!外観は立派な一軒家のようで、サウナ施設とは一線を画しています。

中に入ると、女将さんと娘さんが出迎えてくださいました。入り方の説明を受けたのち、グループにわかれて順番に入っていきます!

中に鎮座するのは、巨大な樽状の蒸気風呂。ロケットのごとくゴゴゴゴ…と空に打ちあがりそうな見た目です。
最大4人までというコンパクトなつくりで、立ったまま蒸されるスタイルもここならでは。

中心部の四角いところが出入口です。扉をあけると、蒸気がむわ〜っと広がります。
足元に気を付けて入ると…中は真っ暗。出入口から光がうっすら射しこみますが、上のほうは漆黒の闇です。これまで全国津々浦々のサウナに入ってきましたが、これは新しい感覚!
視覚が暗くなっているぶん、自然と呼吸に意識が向きます。

蒸気風呂では、岐阜と滋賀にまたがる伊吹山でとれた、芳醇な香りの薬草をふんだんに使っています。
無農薬の自家栽培でつくられた薬草で、十数種類を調合しているそうです。シーズンや天候にあわせてブレンドは変わるそうなので、訪れるたびに楽しめそうです!

このエリアにおける薬草文化は、古くから受け継がれてきたもの。一説によると「伊吹山に薬草を植えるように」と指示したのは織田信長だと言われています。

蒸気風呂から出た後は、ととのいイスに座ってしばらく休憩。冷水シャワーを浴びても問題ないですが、浴びないほうが保温効果が続くので、そのまま休むのがオススメだそうです。
これを2~3セット繰り返し、その後は休憩スペースでゆったり過ごします。


この日はさわやかな風が外から入り、畳のうえで横になると気持ちよさが倍増!
北欧の民族音楽風のBGMがやさしく流れ、気づいたら深い眠りについていました。

参加されたみなさんも横になってお休みしたり、おしゃべりしたり、蒸されにいったりと、自由で軽やかな時間を過ごしていました。
蒸気風呂ができたのは、なんと江戸時代!

田辺温熱保養所は創業80年の老舗。そのルーツは、江戸時代までさかのぼります。
蒸気風呂をつくったのは、蘭学医である杉田玄白、前野良沢から学びを受けた大垣藩の医者・江馬蘭斎(えまらんさい)です。当時流行していた梅毒の治療を目的としていました。

この蒸気風呂をもとに、田辺家の先代の方がつくったのが田辺温熱保養所です。
もともとはサウナのようなリラックスする場所というより、病気を治すための場所だったんですね。現在もアトピーを持っている方など、保養目的のために訪れる人も多いそうです。

今でこそ全国的に知られているこの施設ですが、昔のお客さんは地元の方が大半だったとか。
ただ、昔から通っている常連さんは年を重ね、天国に旅立つ人も増えていったと女将の恵さんは話します。

そんなときに、田辺温熱保養所の蒸気風呂を都内で再現したのが、東京・池袋のサウナ「かるまる」でした。蒸気風呂の元祖に入りたい!と、都内から大垣にくるお客さんが増えたそうです。

加えて、2025年にスペシャルドラマ「サ道 off-road」でも取り上げられ、今やその知名度は全国レベルに。遠い場所だと、北海道からきたお客さんもいるといいます。

施設内にはかわいらしいポップな絵が飾られています。
描いたのは、大垣出身のアーティストJo(ジョー)さん。障がいを持ちながらも、生き生きとした感性で描くスタイルが人気を博しています。

Joさんが幼かった頃から見守り続けている女将の恵さん。昔小学校の教員をされていたとき、教え子のなかにJoさんのお母さまがいたそうです。
大垣の地で生まれたご縁は、家族ぐるみで今も続いています。


ポップな色合いとやさしげな表情が特徴的なJoさんの作品。
田辺温熱保養所で、温かな空気をかもし出しているのが伺えました。


田辺温熱保養所を貸切で使わせていただけるなんて、このうえない贅沢な時間でした。参加者のみなさんもたくさんデトックスしたようで、肌がツヤツヤに!
部屋は静かなのに、みなさんの心が穏やかになった様子が、空気をつたってくるようでした。
田辺温熱保養所のみなさま、本当にありがとうございました!
筆者はこの日の夕方にツアーを離脱したのでレポートはここまでになりますが、この日は岐阜方面のホテルに泊まり、翌日もみなさんはサウナを楽しまれたようでした。
胸アツな岐阜サウナツアー。こんなにラグジュアリーな「サウナはしご」ができる機会は二度とないのでは!? このツアーが、参加された女性たちのサウナライフにおける、一生の思い出となりますように。
取材・執筆:穴山悠理


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