そもそも盆栽って何なの?

盆栽とは、山などに生えている植物を鉢の中で育て、「樹形」と呼ばれる木の姿を整えながら鑑賞を楽しむ趣味のことです。植物を育てるという点では鉢植えと同じですが、盆栽は鉢の中で大自然を表現し、美しさを追求していくもの。芸術的要素が非常に強く、奥深い趣味と言えます。
樹形にはいくつか基本となる型があり、幹がまっすぐで枝がバランスよく左右についている「直幹」、幹が斜めになっている「斜幹」、幹がS字に曲がっている「模様木」、幹や枝が風で流されるように向いている「吹き流し」などがあります。どれが正解というわけではなく、それぞれの個性や魅力をより引き出せるような育て方をすることが大切です。
「BONSAI」が世界的ブームに!?

日本の伝統的な文化として受け継がれてきた盆栽ですが、今やその人気は世界規模に広がっています。その証拠に盆栽の輸出額は、2019年から2023年にかけてなんと約2倍に。市場規模は約9億円にものぼっています。また、一等地である東京・丸の内に盆栽のショップがオープンするなど、盆栽人気の勢いはとどまることを知りません。
海外販売もおこなっているとある盆栽園では、盆栽の世話の仕方を知るためにわざわざ海外から園を訪ねてくる人々もいます。中には、「母国に盆栽園を作りたい」と、弟子入りを希望する人も。園のインスタグラムのフォロワーは、12万人のうち約9割を外国人が占めるなど、園主も海外からの反響の大きさを実感しているようです。
日本の若い世代にも広がる人気

海外にとどまらず、日本の若者にも人気が広がっていると言われる盆栽。実際、TikTokなどのSNSでは「#盆栽」の投稿が多く見られます。さらにそのブームを後押しするかのように話題となっているのが、盆栽をアプリで育てられる「デジタル盆栽」。樹木の品種や気候条件に合わせたお手入れの計画など、本格的な育成を楽しむことができます。
盆栽の認知度は高く、2024年にはNumber_iが盆栽をテーマにした楽曲「BON」をリリースしたほど。HIPHOPと和を融合したパフォーマンスが若者を魅了し、SNSで話題になりました。「盆栽はお年寄りの趣味」というイメージはすっかり払拭され、若い世代にとっても非常に身近な存在になりつつあるようです。
盆栽が持つ魅力や、海外・若い世代の間で起きている「盆栽ブーム」の実態について解説しました。以前よりも親しみやすくなった今、新たな趣味のひとつとして考えてみてもいいかもしれませんね。