1.レトロとモダンの共存。伝統的な宮造りに思いを馳せる

常盤湯にきたらまず、趣きあるこの外観を愛でたいところ。
「宮造り」と呼ばれる豪華な外観は、東京銭湯特有の建築。2023年のリニューアル時、宮造りの外観をそのまま残したのも「銭湯らしい佇まいを残したかった」という想いからだったとか。

中に入れば、モダンな雰囲気の受付が。昔懐かしい外観とのギャップが楽しめるのも注目どころです。支払いは電子決済もOK!タオルのレンタルもあります。


脱衣所でぜひ注目してほしいのは、天井部分。もっとも格式高い天井様式とされる「格天井(ごうてんじょう)」も、昔ながらの銭湯風景が残る部分です。
レトロな格天井に、モダンなシーリングファン。時間がゆったりと流れているように感じるこの眺めは、入浴前から心をほぐしてくれます。
2.どこを切り取ってもピカピカ!清潔感は努力のたまもの

浴室に一歩足を踏み入れれば、清潔感たっぷりの空間に思わずため息。


きれいに配置されたカラン、ピカピカの浴槽、窓から美しく差し込む太陽の光。どこを切り取ってもピカピカで、一度でも来たことある方からは「昔ながら銭湯風情が残っているのに、シャワーやカラン、湯船は現代的。どこも清潔で使いやすい」と言われることが多いそうです。

「みんなで毎日4時間くらい清掃してますよ」と、清潔感への意識を語ってくれたのは3代目の山本さん。
営業時間中もスタッフさんがこまめに見回り、清掃を行う姿がとっても印象的でした。懐かしい雰囲気があるのに、とっても快適。そんなギャップがみんなの心を鷲掴みにするのかもしれませんね。


3.天然温泉、高濃度炭酸泉、シルキー風呂…6種のお風呂がお出迎え

湯船に入る前にまず驚くのが、シャワーの水のまろやかさ!常盤湯では、シャワーの水から水風呂、湯船に使われるお湯、すべてに「軟水」が使用されています。髪も肌もこの軟水で洗えばしっとり、さらさらに。まるで化粧水を浴びているようななめらかさでした。ぜひ体験してほしい……。

シャワーで身体を清めたあとは、つい「どこから入ろうかな〜」と悩んでしまう豊富に用意された湯船へ。水風呂を含めて6種類のお風呂が楽しめます。
たっぷり広さがあるのは、高濃度の炭酸泉。39度と比較的ぬるめでずっと入っていられます。入るだけでうるつやになれちゃうシルク風呂、強力ジェットで足裏までほぐしてくれる、日替わり薬湯入りのジェット湯も必見です。

自慢の天然温泉は、保温状態が長く続きやすい「ナトリウム塩化物冷鉱泉」。なめらかな肌触りの温泉は、高温のため5分の入浴を推奨!

男湯は、開放感たっぷりの露天風呂に天然温泉を用意。ぽかぽかが長続きする温泉に、開放感たっぷりの露天空間。この温泉を求めて遠方から訪れる方も多いとか。わかるな〜!

リニューアルした銭湯は、ついついサウナに注目してしまいがち。ですが!ピカピカな浴槽と、豊富な湯船が用意されている常盤湯なら、湯船⇔水風呂の「交互浴」も満喫したいところ。今回、平日の昼間にお邪魔しましたが、女湯はサウナよりも交互浴が人気な印象でした!
4.あちあちサウナでへとへとな身体がふわりと軽くなる

常盤湯の魅力を語る上で、サウナは外せません。以前の常盤湯は、湯船が並ぶシンプルなスタイルだったそうですが、2023年のリニューアルを期に男湯、女湯ともにサウナを導入!

男女ともに100度近くまで上昇するサウナは「あちあち!」「ばっちりととのう!」と、サウナ愛好家からの評価も高いです。なかには「並んでも入る価値ある!」といったコメントもあるほど!


「土日祝日は14時以降。平日は19時以降からサウナが混雑する傾向です。その前の時間帯が狙い目ですね」と山本さん。

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サウナ→水風呂→休憩の「サウナトライアングル」がしっかり整備されているところも、多くの方が常盤湯に魅了される理由。
男湯は露天スペースにサウナ、水風呂、外気浴スペースを完備。とくに外気浴の充実っぷりには驚かされます。足置き付きの休憩イス、自販機も用意されていて、心地よく吹き抜ける季節の風を感じながら思いのままに休憩!


この外気浴を銭湯で味わえるとは……正直男性陣がうらやましい!

女湯サウナは、題して「おこもりサウナのトライアングル」。サウナ、水風呂、休憩の距離は、ほぼ「ゼロ」。開放的で明るい浴室から一変し、サウナスペースは落ち着いた照明が印象的。秘密基地感もたっぷりです。


あっちあちのサウナに、キーンと冷たいバイブラ付き水風呂、ゼロ距離でととのえる内気浴スペース。サウナに没入するのにぴったりでした。サウナに集中したいとき、ひとりの世界に浸りたいとき、そんな時は常盤湯のサウナにまた癒されに行きたい。
5.湯上がりの楽しみまで!銭湯に馴染みのない方にもきてほしい

「銭湯らしさを残しつつも、最新の設備で利用しやすい環境をととのえています。銭湯は敷居が高いと思っている方や、小さなお子さんのいる家族連れ、若い女性、銭湯に馴染みのない若い世代の方にまで、ぜひ足を運んでもらいたいです」と山本さん。



ロビーには、ドリンクやソフトクリーム(350円/バニラ・黒ゴマ・クッキー&クリームなど全8種類)、近くの醸造所で作られているクラフトビール、おつまみスナックやゆで卵(1個100円)の用意まで!小さなお子さんから大人まで、湯上がりが楽しくなるスペースになっていました。これは何度でも通いたくなる!

取材日は、桜の木から瑞々しい新芽がのぞき始めた春の日。正直、忙しい毎日で気分がピリピリしていたのですが、常盤湯のお風呂に浸かって富士山をぼ〜っと眺めていたら、ぴーんと張り詰めていた糸がゆる〜っとゆるまっていくような気がしました。

高くて開放感のある天井、美しく佇む白富士山の銭湯絵、広くてあったかい湯船、あちあちサウナ。古き良き銭湯風情と快適さを兼ね備え、安心して心をオフにできる。常盤湯が多くの方に愛されるのは、ここに来ると自然と心がほぐされて「もうちょっとだけがんばろうかな」と、前向きな気持ちにさせてくれるからだと思います。
やっぱり銭湯は、命(=心)の洗濯ができる場所ですね!ぜひみなさんも、日々のモヤモヤを晴らしに行ってみてください。
取材・執筆:はせがわみき
深川温泉 常盤湯の帰りに。近隣おすすめ飲食店
BEER VISTA BREWERY
常盤湯から徒歩1分の場所にある『BEER VISTA BREWERY』。シンプルなものから、インパクトのあるクラフトビールまで取り揃えるブルワリーです。飲食スペースも完備!常盤湯でもBEER VISTA BREWERYのクラフトビールを販売中。
三徳(さんとく)
常盤湯から徒歩1分の場所にある『三徳』。40年以上続く昔ながらの居酒屋さんで、もつ煮込み、もつ焼きがおいしいと人気。定食メニューも用意されているので、がっつりサウナめしを求めている方にもおすすめです。
iki Espresso

常盤湯から徒歩1分の場所にあるカフェ『iki Espresso』。こだわりのコーヒー、ショーケースいっぱいに並んだ美しいスイーツを楽しめる開放的なお店でした。エッグベネディクトやアボカドトーストなどのフードメニューも充実!女性ひとりでも入りやすいのがよかったです。テイクアウトもできるので、常盤湯帰りにコーヒーを買って、街散策もなんてのも魅力的!