1.美しいアクアリウム。五感が癒されるデザイナーズ銭湯

有楽町線「千川」駅から徒歩13分。住宅街の中に現れるグリーンの暖簾が目印の『クアパレス藤』。創業は60年以上前。2017年に建築家・今井健太郎氏のデザインで生まれ変わりました。

大きなお風呂に浸かりながら、自然を感じて癒されてほしいという想いから、リニューアル時にコンセプトを「テラリウム」へ。館内では、水・木・緑と、自然素材を五感で感じられる工夫が散りばめられています!
ロビーではさっそく美しいアクアリウムがお出迎え。優雅に泳ぐ熱帯魚たちが非日常的な時間へ誘います。癒される〜。

「いちばん長くて、もう12年も生きている子がいるんですよ」と、熱帯魚を紹介してくれたのは、オーナーの辻村さんと店長の友野さん。
辻村さんは「ここにきたら、目や耳から、癒されてほしいなと思っています。だからロビーにも浴室にもサウナにも、あえてTVは置いてません。お風呂に入る前にまずはアクアリウムで目を癒してくださいね」とチャーミングに語ってくれました。

アクアリウムで目を癒したら、入浴タイム。サウナ利用は、入浴料に追加300円。(+70円でお水も販売!)サウナマットも貸し出してくれます!ちなみに支払いは現金のみなので、小銭の準備をお忘れなく!

ベージュ基調のロッカーに、存在感のある木目のベンチに、グリーン。脱衣所も、どこまでも自然に溢れていてうっとりでした。
2.水・木・緑・光が調和するナチュラルテイストな浴室

浴室はまさに「テラリウム」。大きな窓からの光、木目調の壁、グリーン、ブルーのタイル、地下水を沸かしたお湯が絶妙に調和する、ナチュラルな空間です。思わず深呼吸!

いちばん大きな湯船には、ジェットバス・寝湯、背中ジェットが完備されています。とくに背中のジェットが一瞬で目が覚めるほど強力なので、疲労が溜まっている方におすすめ!

酸素をたっぷり含んだナノ湯は、「癒し」と「美」をもたらしてくれる、女性必見のお風呂。
ミクロの気泡が毛穴の汚れを取り除き、湯面にはマイナスイオンが発生。ただ浸かっているだけで、乾いた肌と心がどんどん潤っていく、魅惑的なお風呂です。
3.サウナ好き必見。疲れや汚れのデトックスが叶う低温女性サウナ
サウナ

男湯サウナは、本格派の100度設定。しっかり汗をかける、満足感の高いサウナです。

一方、女湯サウナは70度と、比較的低温タイプ。
実は、低温で体を温めることで、冷え性改善、美肌、老廃物の排出促進、疲労緩和、安眠効果などなど、あらゆる健康効果が期待できるそう。
当初は「サウナの温度ぬるすぎない?」なんて声もちらほら出てきたそうですが、今やそれがしっかりと定着し、サウナ目的で訪れる女性が増えているとか。

実際に入浴してみると、汗がじわ〜〜〜とゆっくりにじみ出てくるのを実感できて、まるで岩盤浴のような心地よさがありました。ふしぎと時間もスローに感じられて、リラックス度も高い!
清潔感もたっぷりで、汚れや匂いなどを全く感じさせません。女ともだちに心からおすすめしたくなる、そんなサウナ環境でした。

水風呂

水風呂は、体感で18度前後ほど。
チャプン……と入水すると、体にスーッと水が馴染んで、自分もテラリウムの一部になったような気分に。シンプルに水が張られているため「羽衣」(=サウナ後、体にできる熱の膜のようなもの)を作りやすく、サウナや温冷交代浴にぴったりです。

「こういう水風呂求めてた」と、つい心の声が漏れてしまいそうになるほど、心地いい冷水浴でした。
外気浴

クアパレス藤がサウナ好きからも人気が高いのは、きっと露天風呂があるからに違いない!そんな確信を抱いてしまう、開放感にあふれた露天風呂エリアへ。

休憩用のイスに腰掛けたら、ぼ〜っと座ってチルチャージタイム。そよそよ風になびかれるグリーン、心地いい木目調の壁、そして青い空に包まれて、心身がゆる〜っとほぐれるのを感じます。

オーナーの辻村さんも「露天風呂がいちばんのお気に入り」なんだそうです。季節とわず、ゆっくり露天風呂に浸かる時間も至福ですね。
4.【限定サウナめし】火曜日には駐車場にキッチンカーが出現!

お風呂にサウナに大満足のあとは、ロビーでまったりタイム。ドリンク類はもちろん、生ビール(1口150円/グラス250円/ジョッキ350円)も楽しめます!おつまみスナックも多数用意。

毎週火曜日は、キッチンカー『-力士食堂-WANPAKU』の出店DAY。テイクアウトもできますが、ロビーで飲食もOK!湯上がりの時間合わせて注文もでき、出来立てほやほやをいただけます。

おすすめは、週替わりのちゃんこ(この日はカレー)・からあげ・ライスがセットになった「わんぽく定食」(1300円〜)。ご飯の量&種類・からあげ個数(2個or4個)がカスタマイズできるので、自分好みにアレンジできる点が人気だそうです。
週替わりのカレーちゃんこのスパイシーな味付けが湯上がりにベストマッチで、ぺろりと平らげてしまいました。

ただし、全体的にか・な・りボリューミーなので、注文量にはご注意あれ!(とくに遠方から来ていて、お店で食べる方は)

優雅なアクアリウムを眺めながら、ボリュームたっぷりのサウナめしを食べるという、このギャップ……。こんな体験ここでしかできないな〜なんて思ってしまう、ユニークなサウナめしタイムでした。おいしかった〜!
キッチンカーは、豊島区の「妙法湯」、中野区の「たから湯」などでも出店されているので、ぜひそちらにも足を運んでみてください!
5.「どんな人が来ても居心地よく」クアパレス藤のこだわり

「ここには癒されにきてほしいから、館内には”注意書き”を貼りすぎないようにしているんです。その代わり、お客さんと密にコミュニケーションをとって、注意事項や利用方法は口頭でご説明しています。大切なのは、どんな人が来ても居心地がいいなと思ってもらえる空間にすることです」と、最後まで笑顔で語ってくれた辻村さん。
現代的なデザインと、銭湯らしい”温かいコミュニケーション”が調和する「クアパレス藤」。
人気のひみつは、ほっとできる居心地の良さに、多くの方が癒しを感じるからなのだと思います。辻村さん、お忙しい中たくさんお話ししてくださり、ありがとうございました!

ちなみに混雑しやすい時間帯は、平日・土日ともに16〜18時頃。18〜20時は意外と穴場タイム。21時以降は仕事帰りの方が増えるそうです!開店直後だと、ゆっくりテラリウムの世界に浸れておすすめかもしれません。
心と体に“乾き”を感じたら「クアパレス藤」へ。ぜひ、目・耳・肌で癒しを感じ、全身に潤いをチャージしてみてください。
取材・執筆:はせがわみき