開店後から大賑わい!人気のレディースデイ

レディースデイは毎月第2月曜日。今回は祝日ということもあり、16時半頃に行くとすでに受付には待っている人たちがたくさん。館内は早くも熱気に満ちていました。
入口では混雑状況を表示する吊り下げ式モニターがお出迎え。発券機でチケットを購入し、番号札を受け取ると、自分の順番がきたときにモニターに表示される仕組みです。
モニターには、現在案内中の番号と待ち人数も表示されます。「どのくらい時間がかかるのかな?」とソワソワせずに待てるので安心ですね!
待ち時間が長くなりそうなときは外出しても大丈夫なようです。公式サイトからモニターと同じ情報を閲覧できます。

富士見湯では2時間制を採用しており、サウナの利用人数を制限しています。
そのため、室内が混み合うこともなく、サウナの外に待ち列ができることもありません。 2時間あれば十分に満喫できるので、慌ただしさを感じることなく落ち着いて過ごせます。
実際に利用してみて、運営体制の丁寧さや、利用者への気配りの細やかさを強く感じました。 料金はサウナとバスタオル付きで1,500円でした。
まるで別世界!圧巻のサウナルーム

いよいよお目当てのサウナルームへ!足を踏み入れた瞬間、その光景に驚きました。一般的な銭湯とは雰囲気がまったく異なります。コンクリ-ト調のスタイリッシュな空間には、横になれる畳のととのいスペース、インフィニティチェア、そして青く光る泉のような水風呂。まさに「ととのうための聖域」です。

サウナは20名ほど入れる広さです。温度は夏は約95℃、冬は97℃ほどの設定にしているそうですが、場所によっては100℃近く感じるかもしれません。バチバチの熱さがたまりませんね!オートロウリュは毎時15・35・55分におこなわれます。

静かな熱気のなかで印象的だったのは、若い女性のソロサウナーの多さ。
もともと富士見湯は、一人で静かにサウナを楽しみたい人をメインターゲットにしていたそうです。その狙いは見事に功を奏し、今では「民度が高いサウナ」と評されるほど。かつては一部でマナーの問題もあったといいますが、現在は利用者同士の思いやりが自然に根づいています。
オーナーの渡部さんをはじめ、スタッフの皆さんの丁寧な運営がその空気をつくり出しているのだと感じました。

そしてこのサウナで唯一無二の存在感を放つのが、奥にそびえたつ木彫りの富士山。しかも、なんとこの富士山の裏には、寝られるチェアがあるんです!サウナ室で寝られるってとても贅沢ですね!

ただ、ここは常連さんに「デスゾーン」と呼ばれるほどの高温地帯。寝てしまうと危険なため、あえて温度を高く設定しているという細やかな配慮も感じられました。
超軟水水風呂と、10歩以内でととのえる完璧な動線

水風呂は14.5℃・深さ120cmと、サウナ-が求める条件を見事に満たしています。超軟水のやわらかな肌あたりのおかげで、冷たくてもピリッとしません。理想的な温度と深さなので、ととのい度合いを上げてくれること間違いないでしょう。

サウナ→水風呂→ととのいイスまでの距離はすべて10歩以内。この動線はオーナー渡部さんのこだわりポイントなのだそう。外から取り込まれた風が吹き込むのも気持ちよく、ばっちりととのえます!

冬は寒さ防止のため、サウナルームの風を止めるそうです。以前、寒さ防止のため天幕を張ったところ結露が生じて天井から水がしたたってしまったのだとか。お客さんの声により、結露が出ないよう天幕はやめたとのこと。お客さんが過ごしやすいように、いろいろ試行錯誤しているんですね。
都内では珍しい関西風の浴室

お風呂は二つ。浴槽が真ん中にある関西風のレイアウトは、オーナー渡部さんのお父様が大阪の銭湯を訪れたときにアイデアを得たそう。

お風呂は不感湯のような泡の風呂と、やや熱めの北投石風呂の二つ。泡のお風呂は不感湯のような、ずっと入っていられる温度。北投石風呂はジェットエリアもあり、体を温めてほぐすのにぴったりです。あえて温度にメリハリをつけることで、どちらも楽しめるようになっています。

脱衣所のロッカーは100円の返却式。大きめのロッカーと小さめのロッカーがあるので、荷物が大きめでも大丈夫!
しかもサウナがあるほうの脱衣所では、ダイソンのドライヤーが無料で使えるんです。普段の女性側の浴室にはReFaのドライヤーとシャワーヘッドが設置されているとのこと。どちらの浴室もアメニティが充実していますね。
オーナーみずからの手できれいに!「掃除は基本」

富士見湯の掃除は、毎日オーナーの渡部さんがおこなっているそう。「掃除は基本ですよね。他の人に任せて接客に専念するオーナーも多いと思いますが、僕は逆。人に任せると汚いところが気になってしまうので。やっぱり銭湯はきれいなのが一番ですから、オーナーこそ自分の手で掃除をするべきだと思います」

富士見湯の人気の秘密は、毎日の丁寧な掃除があってこそ。「もちろん毎日きれいに掃除はするのですが、月1回のレディースデイの前日はより気合が入ります」と笑顔で話されていました。
経営理念「日本の若者に元気になってほしい」

オーナーの渡部さんには「日本の若者に元気になってほしい」という想いがあるそう。
「今は、とてもじゃないけど家庭を持って、家を買って……という生活ができる世の中じゃない。当たり前のことができない世の中には、憤りを感じる面もあります。富士見湯の経営理念は、そんな世の中で疲れている若者に少しでも元気になってもらうことです」
渡部さんの想いは、エネルギーをチャージしに訪れる多くの若者たちにしっかり届いていると感じました。

今回レディースデイに潜入し、富士見湯さんの魅力を肌で感じることができました。
普段は女性側のお風呂はサウナなしですが、最近軟水機を取り換えたのでよりお湯がすべすべで気持ちよく感じられるそうです。普段の女性側浴室も、サウナが使えるレディースデイもどちらもおすすめなので、ぜひ足を運んでみてください。
ととのった後は戸越・荏原エリアのグルメを満喫!
富士見湯のサウナでととのったあとは、戸越・荏原エリアのグルメでお腹を満たしましょう!おすすめのお店を紹介します。
カフェレストランDJ

荏原中延駅から徒歩3分ほどの「カフェレストランDJ」。富士見湯からもほど近い距離にある、おしゃれな雰囲気の喫茶店です。
豊富なメニューのなかから、今回はビーフシチューを注文。海藻サラダとライスとともにいただきました。具がとろとろに煮込まれていておいしいー!



さいごに、お口直しにどうぞとデザートのサービスもしていだきました!フルーツがいっぱいのったパンナコッタ。オーナーさんの心配りが染みわたりました。
美食酒家 花一
中延商店街の中にある多国籍料理の居酒屋「美食酒家 花一」。ウナギやもつ鍋、生春巻などさまざまな料理があり、どれにするか迷ってしまいそうです。取材当日は満席で入れなかったので、気になる方は予約したほうがいいかもしれません。
札幌味噌ラーメン葵葉 荏原中延店
本場の札幌味噌ラーメンを堪能できる「札幌味噌ラーメン葵葉」。店舗は仙台と荏原中延の2つのみだそう。サウナめしにがっつりラーメンを食べたい方はぜひ!スープがなくなり次第営業は終了するそうなので、早めに行くのがいいかもしれません。
CAFE.ALPS
荏原中延駅前にあるハンバーガー店「CAFE.ALPS」。一口ではかぶりつけないほどの大きさのハンバーガーが特徴的です。富士見湯オーナーの渡部さんいわく、ポテトも絶品でおすすめだそう。
取材・執筆:穴山悠理