1.居心地の良さは”人”から。巣鴨湯の高いホスピタリティを愛でる
巣鴨湯のテーマは「和」
昭和24年創業の巣鴨湯がリニューアルを遂げたのは2022年10月のこと。「和」をテーマに、店舗を全面的にアップグレードしました。
店内に足を進めると、まず視界に飛び込んでくるのは「桶」をイメージした愛らしい番台。
受付にはついつい手を伸ばしたくなる巣鴨湯のオリジナルグッズがずらり。どれもかわいくて、お風呂に入る前から楽しい気分にさせてくれます。
「待たせたくない」から生まれた混雑管理システム
巣鴨湯で特に「これは画期的だな〜」と感じるのが、受付横に設置された「混雑管理システム」。
巣鴨湯ではサウナ利用者が一定数を超えると「入場制限」をかけ、サウナで並んだり、待ったりといった不安要素を取りのぞくシステムを導入しているんです。
「とにかくお客さんを待たせたくなくて」と話してくれたのは、巣鴨湯4代目の中村有紀さん。
このシステムのすごいところは、一度店舗で受付を済ませれば、外からでも自分の番号を確認できるところ。入場制限がかかっていても、待ち時間で街を散策できたり、買い物できたり、食事ができたりと、退屈せずに待ち時間が過ごせるんです。
「みんなが快適に過ごせるように」そんな見えない”おもてなし”をひしひしと感じる巣鴨湯。
店舗に入れば「こんにちは!」と明るい声で出迎えてくれたり、受付では「脱衣所はロッカーに100円、ドライヤーに10円必要ですけど手持ちありますか?」と細かい気配りで案内してもらえたり。
巣鴨湯が日々人気を極めるのは「きれい」とか「あたらしい」だけじゃなく、スタッフの方々からにじみ出る”ホスピタリティ力の高さ”にあるんだろうな……と、入浴前から心をほかほかにしてもらえた筆者でした。
2.居心地のよさが約束される場所。脱衣所から浴室へと続く畳空間
足元から感じる畳のやさしさがチル
巣鴨湯最大の特徴といえば、店舗の入り口から脱衣所、そして浴室の床が”畳張り”であること!
「ただキレイにリニューアルしただけじゃ飽きられちゃうなと。ほかとは違った特徴を出せないかと模索してたどり着いたのが畳床です。維持や掃除はもちろん大変ですけど、ふしぎなあたたかさがあって。ご年配の方からも好評で、導入して良かったなと思います」と中村さん。
そう、この畳のおかげで、店舗に入った瞬間からずっと足元がやさしく包まれているんです。裸足で過ごしても足から冷たさを感じません。これは巣鴨湯ならではのチルポイントです。
サウナなしでも十分たのしめる!湯船の豊富さがうれしい
空間だけでなく、湯船の豊富さも注目どころ。
41度前後のシルク風呂に、ちょっとしたプライベート空間を味わえるあつめの「内風呂」。極楽をひとり占めできる「ジェット湯」、銭湯ならではの「電気風呂」など。
水風呂や美泡風呂を合わせて、全6種の湯船を贅沢に満喫できます!地下水をさらに軟水化したまろやかな肌触りのお湯に浸かれば、日頃の疲れも一瞬で吹き飛ぶはず。正直、サウナなしでも大満足できちゃうくらい。
心地よさが約束される場所。そう、それが巣鴨湯なんです。
3.結局みんなこの灼熱を求めてやってくる。キュートな桶に隠されたアツアツサウナ
桶をモチーフにしたキュートな見た目とは裏腹に、灼熱の熱さを体感できるのが巣鴨湯のサウナ。
男女ともに98度設定・3段タワー型の室内には、ジジジッと音を立てて熱気を届けるSAWO社のサウナストーブとピカリと輝く銅の桶の姿がどどんと鎮座しています。
20分に一度のオートロウリュが作動すると、まずは銅桶で水分が蒸発。蒸発しきらなかった水分が、そのままサウナストーブに注がれるため、2段階でロウリュが行われる仕組みに。どうりでアッチアチなわけだ…‥。
最上段ではわずか3分で滝汗。下段でも6分ほどでほってほてに仕上がりました!このパワー、決してあなどるなかれ……!
広い・深い・美しいの3拍子が揃う水風呂は、サウナ室の目の前。水温は、サウナとも相性抜群の15度前後。アツアツのからだの瞬時に冷却してくます。
個人的には、水風呂代わりに「美泡水風呂」に浸かるのもかなりおすすめ。
30度前後の不感温度(=熱さも冷たさも感じない温度)になっており、時間をかけてゆっくりゆっくり、身体を冷やせるのがとにかく気持ちいいんです。細かい泡の刺激もクセになるっ……!
リニューアルで特にこだわったのが、銭湯ではなかなか実現がむずかしい外気浴・内気浴スペースを導入したこと。
男湯の外気浴スペースは、外部から見えないよう天井だけを吹き抜けに。ほど良い風を感じられる居心地の良い空間で、のんびり休憩できます。ここも足元が畳なのがうれしい!
女湯の内気浴スペースは、ひんやりした空気と瞑想空間のような照明で、とにかく休憩に没頭できる場所。ふわりと漂うアロマの香りがさらにリラックスさせてくれます。
「男女ともに休憩スペースでは”黙浴”をお願いしています。静かな空間でサウナを楽しんでもらえるのもこだわりのひとつですね」と中村さん。
随所のこだわりと、利用者への想いであふれた巣鴨湯ですっかり骨抜きに。
一度足を運べば、この居心地のよさを求めてまた訪れたくなる……そんな魅力が巣鴨湯にはありました。また絶対に来ます!
4.地蔵通りでサウナめしを堪能するまでがワンセット
巣鴨駅から続く「巣鴨地蔵通り」には、ぜひ立ち寄って欲しい「サウナめしスポット」が点在しています!
ときわ食堂 庚申塚店
ちょい飲みにおすすめしたいのが、巣鴨湯から徒歩2分の場所にある『ときわ食堂 庚申塚店』。
食材にこだわったおいしい定食がいただける食堂で、大人の醍醐味「食堂飲み」を満喫できるスポットです。
ポイントは、定食メニューだけでなく「ミニ盛り」メニューが豊富なこと。お酒と一緒にちょっとずつおいしい食事が楽しめるので、ひとりでも気兼ねなく立ち寄れますよ!
洋食小林
がっつりを食べたい方には、巣鴨湯から徒歩4分の場所にある『洋食小林』がおすすめ。スコッチエッグや、ハンバーグ、ポークジンジャーソテーなどが楽しめる街の洋食屋さんです。
注文したのはもちろん名物の「スコッチエッグ」。やさしく味付けされたひき肉ととろり半熟たまごのバランスがばっちりでした。しっかりボリュームのある定食をいただけるので、お腹ペコペコな状態で行くのがおすすめ!
ファイト餃子
「サウナめしは中華派!」という方におすすめしたいのが、巣鴨湯から徒歩7分の場所にある『ファイト餃子』。
まるでお饅頭のようなビジュアルをした焼餃子が名物の中華料理店です。外はカリッと、中はジューシーな味わいの餃子で、思いの外ぱくぱくと食べ進められます。
巣鴨湯店主の中村さんが「つい食べたくなる」とおすすめしてくれたチャーハンも絶品。上に乗ったたまごを崩しながら食べるちょっぴかわったチャーハンは、お酒のおつまみにもなるような味付けでした!
待ち時間はぜひ地蔵通りを散策してみてほしい
「地蔵通りは飲食店も多く、入場制限中は商店街で食事をしながら待ってくれる利用者さんが多い印象です。都心にありながら、都心すぎないレトロな雰囲気を味わえるのが地蔵通りの魅力だと思います」と中村さん。
中村さんの言う通り、地蔵通りは飲食店がとにかく多く、はしご酒が楽しめそうな雰囲気もありました。巣鴨湯のあとはぜひとも周辺を散策して、自分なりの優勝ルートを開拓してみてくださいね。
取材・執筆:はせがわみき