【簡単に解説】ウェルビーイングの意味とは

ウェルビーイングとは「身体的・精神的・社会的・経済的に良好で満たされた状態」を指します。
「Well」とは「良いこと」。「Being」とは「状態」。ウェルビーイングの実現には現状に満足しているだけではなく、状態の持続に安心感を抱いていることが求められます。
ウェルビーイングとは、お金があることや、健康であること自体ではありません。自分自身が「満たされている、幸福である」という実感そのものを指します。ウェルビーイングの本質を学びながら、自分にとっての幸せについて考えていきましょう。
ウェルビーイングの種類は、おもに以下の2つです。
・主観的ウェルビーイング
・客観的ウェルビーイング
ここでは、それぞれの意味を解説していきます。
主観的ウェルビーイング
主観的ウェルビーイングとは「一人ひとりが、自分の感覚や認識で感じるウェルビーイング」です。個人レベルで実践するウェルビーイングが該当します。
つねに主語を「自分」に置き、自分自身が以下の感覚を抱けているかどうかが基準になります。
・幸せを感じられているか?
・充実感を抱けているか?
・楽しさやうれしさ、喜びを実感できているか?
・健康・金銭・キャリアなどに納得感を抱けているか? など
主観的ウェルビーイングでは個人の幸福度が重要であるため、「年収〇百万」「都内一戸建て、子ども〇人」のような定量的なステータスだけでは測れません。
たとえ年収が平均程度でも、目や足などが不自由な人でも、「幸せや充実を感じられている」のであれば、主観的ウェルビーイングが達成されます。
客観的ウェルビーイング
客観的ウェルビーイングとは、本人の主観によらず、外形的に測定できるデータに基づいて「良い状態」を評価する考え方です。平均寿命・失業率・教育水準・所得などのデータによって計測される点が特徴で、国や地域の状態を把握する際によく用いられます。
個人の幸福とは一見無関係に見えますが、自分の置かれている環境を比較・把握することで、自己の客観的な理解が深まり、個人レベルでの幸福度にも影響を与えます。
今、ウェルビーイングが注目される理由

現代的なウェルビーイング研究が本格化したのは、1980年代。アメリカの心理学者らによって、個人の幸福度を統計的に測定する研究が盛んになったことがきっかけです。
そして2012年に制定された「国際幸福デー」にて、幸福の定義にさまざまな主観的ウェルビーイングの基準が用いられるように。現在も各国にて、国民のウェルビーイングを高める取り組みが実施されています。
今、世界中でウェルビーイングが注目されている理由を学び、その重要性について認識を深めていきましょう。
経済面以外で測れる「豊かさの指標」だから
ウェルビーイングが注目されている理由は、経済面以外で測定できる「豊かさ」の指標だからです。
私たちの豊かさは、長らくGNP(国民総生産)やGDP(国内総生産)によって語られてきました。しかし、1990年に登場したHDI(人間開発指数)をひとつの転機として、所得の大きさだけでなく、健康や教育も含めた「人間らしい豊かさ」を捉えようとする流れが広がっていきます。
HDIとは、国連開発計画(UNDP)が発表する、各国の発展レベルを測る指数のこと。一人当たりの所得に加え、健康や教育といった、お金だけでは測れない要素を組み合わせて算出されます。
現在では「経済的に豊かかどうか」と同じくらい「生活や心が豊かかどうか」を重視する考え方が広がりつつあります。そして、その心の豊かさそのものに目を向けるのが、ウェルビーイングなのです。
SDGsの拡大により「持続可能な幸福」が重視されているから
2015年に採択され、2016年から取り組みが始まった「SDGs」の取り組みにも、ウェルビーイングが関連しています。
そもそもSDGsとは「2030年までに持続可能でより良い世界を目指す17の国際指標」のこと。そのなかには「すべての人に健康と福祉を」「質の高い教育をみんなに」「働きがいも経済成長も」など、ウェルビーイングに密接に関連する指標が定められています。
ウェルビーイングにも「良い状態が続くこと」という持続性の観点があり、SDGsとは互いに理念をシェアし合う関係性なのです。
ウェルビーイングなくしてSDGsは実現せず、ウェルビーイングの実現のためにはSDGsの達成が求められます。両者が相互関係にある限り、ウェルビーイングは各国や個人が長期的に実現を目指す取り組みといえるでしょう。
ウェルビーイングの実現を目指そう!種類と取り組みを解説

ウェルビーイングの実現には、以下の5つの指標(ギャラップ社が提唱した、心身の健康や人生の幸福度を構成する柱)が求められます。
・キャリアウェルビーイング
・フィジカルウェルビーイング
・コミュニティウェルビーイング
・ソーシャルウェルビーイング
・ファイナンシャルウェルビーイング
ここでは、上記のウェルビーイングの意味や、取り組みの具体例を解説します。どれも日常のなかで無理なく始められるもので、私たちの幸福や豊かさを高めることにつながります。自身のライフスタイルと照らし合わせながら、無理なく実行できる習慣を導入していきましょう。
1.キャリアウェルビーイング|仕事やキャリアの充実
キャリアウェルビーイングとは「仕事における、満足感・やりがい・自己実現」に関する指標です。
・今の仕事に納得感を持てているか?
・日々の仕事は楽しいか?
・現状のキャリアに関する不満はないか?
・仕事を通して自分らしさを発揮できている実感があるか? など
キャリアウェルビーイングを達成するためには、資格取得や研修参加、副業への挑戦などが挙げられます。成功を実感する取り組みのなかで、仕事における自己価値を認識しやすくなります。
漠然とした「出世、昇格」ではなく「何のために出世をしたいのか?」「昇格によって実現できる幸福や満足感とは何か?」を深掘りすることで、達成や取り組みのなかで本当のウェルビーイングを実現できるでしょう。
2.フィジカルウェルビーイング|心身の健康
フィジカルウェルビーイングとは、心と体の健康状態に関する指標です。
・心身は健康な状態であるか?
・自己実現のためのスタミナやエネルギーはあるか?
・年齢や生活に応じた「健康習慣」を持続している自覚があるか?
・心身のストレスを定期的に発散できているか? など
フィジカルウェルビーイングの実現には、自身が健康であるという実感が大切。十分な睡眠時間の確保や栄養のとれた食事、適度な運動などの「健康的な生活の基本」を守る習慣が重要です。
また持続的な幸福のためには、定期的な健康診断による「安心感の確保」「病気の早期発見や予防」が求められます。
3.コミュニティウェルビーイング|地域との関わり
コミュニティウェルビーイングとは「個人が所属する集団」における、良質な人間関係や社会的なつながりに関する指標です。
・集団とつながれている感覚はあるか?
・集団のなかで孤立せず、お互いに支え合えているか?
・日常的な感情や情報を分かち合える場所はあるか?
・集団において「自分はここにいてもいい」と安心感を抱けているか? など
コミュニティウェルビーイングにおける集団とは、地域社会や職場、学校、オンラインコミュニティなどが該当します。達成のためには「ただ所属している」だけではなく、安心感や帰属意識などが求められます。
たとえば、ボランティア活動や地域イベントの参加、近隣の方々との挨拶などでも、ウェルビーイングを高めることが可能です。またひとつの集団に依存しないよう、複数のコミュニティに参加する姿勢も身につけましょう。
4.ソーシャルウェルビーイング|身近な人とのつながり
ソーシャルウェルビーイングとは、身近な人とのつながりに関する指標です。家族や恋人、親しい友達などが対象になります。
・他人と深い愛情や関わり、絆、友情でつながれているか?
・困ったときに相談し合える関係性を築けているか?
・良好な人間関係の実感を通し、孤立感を減らせているか?
・与える・与えられるだけではなく、「与え合える」関係性を築けているか? など
達成のためには、家族や恋人、友人と語らう時間を増やしたり、困ったときに相談し合える関係をつくったりなどの取り組みが求められます。食事や娯楽を一緒に楽しめる相手をつくれば、コミュニティウェルビーイングだけでは埋まらない孤独にも対処が可能です。
コミュニティウェルビーイングと同様に、特定の1人のみに固執しない姿勢が大切。親密な関係性の相手を複数得ることで、幅広い観点での安心感を得やすくなります。
5.ファイナンシャルウェルビーイング|お金の安心
ファイナンシャルウェルビーイングとは、お金に関する指標です。単純なお金・資産の多さではなく「金銭面で将来にわたり安心感があり、自分らしい人生を送るための選択ができる状態」を指します。
・経済的に「自分が」満足できているか?
・将来の金銭面に不安はないか?
・金銭的な理由で自己実現を諦めずにいられているか?
・身の丈に合った経済的な幸福を理解し、納得できているか? など
もちろん、お金は多くあるに越したことはありません。しかし実際には人により生涯年収の目安は異なり、月々に使えるお金や組めるローンも異なります。重要なのは「自分が今の経済状況に納得し、未来の経済状況に安心感を抱けているか」です。
達成のためには、収支の把握や予算管理から始めるのがおすすめ。目標となる将来像(見込み収入や貯金額)などを具体的に設定したうえで、逆算的に実現に取り組む姿勢が求められます。
少額からの資産運用や実直な貯金なども、ウェルビーイングに重要な「安心感」を得るために役立つでしょう。
まとめ:自分にとっての幸福を追い求め、人生をオリジナルに彩ろう

今回は、ウェルビーイングの意味や種類、個人で実践できる取り組みについてご紹介しました。
ウェルビーイングの実現では、自分が正しい認知を持っているかどうかが大切です。たとえ収入や人間関係に恵まれていたとしても、自分自身が「不幸だ」と認識していれば、ウェルビーイングは達成されません。
つまり実現のためには、「自分が幸福を感じるために必要な条件」を明確にする取り組みが求められるのです。ぜひこの機会に自己を深掘りし、心が求めるものを明文化していきましょう。
個人レベルでウェルビーイング実現に取り組むことで、納得感のある人生設計につながり、他者と比較しない「自分ならではの幸福」の追求が可能になります。
心、体、キャリア、お金、関係性。あらゆる領域の幸福を追い求め、無理のない取り組みを通して人生を彩りましょう。


